JR西日本が、広島市と検討するJR可部線の廃止区間、可部―旧河戸間(安佐北区、約2キロ)の電化延伸について、本年度中に実現の可否を判断する方針であることが分かった。延伸区間の財産区分をめぐる市との協議や、白島新駅(中区)を新設する山陽線を含めた収支見通しを踏まえ、結論を出す。
地元住民から要望が出ている電化延伸をめぐっては、市が9月21日、来年度中の着工を目指す方針を表明。2013年度までに整備する目標を掲げる。
市は本年度、JR西日本に調査・設計を委託。同社は、新駅など施設整備の概算事業費や収支計画などを本年度内に市に提出する。整備費用は市と国が負担するが、同社は電化延伸に踏み切るかどうか明言していない。
JR西日本広島支社の杉木孝行支社長は中国新聞の取材に対し、「今は市と密接に協議している段階。早く合意に達したいとの思いもあるが、財産区分や保守管理面での負担についても詰める必要がある」と述べた。
さらに杉木支社長は、山陽線とアストラムラインの乗り換え拠点として市が整備する白島新駅への投資にも言及。「山陽線を含めた総合的な需要を想定し、収支が成り立つと確認できた時、判断材料がそろう。本年度中に社としての結論を出したい」と話した。
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