北京(CNN) 2010年のノーベル平和賞の発表に世界中のマスコミが沸く中、受賞した中国人活動家、劉暁波氏の母国である中国の当局は、公の場から劉氏の名前を抹消しようと奔走している。
例えば、中国の検索エンジンで「劉暁波」または「ノーベル平和賞」と入力しリターンキーを押すとエラーメッセージが表示される。
また中国当局は、CNNなどの海外メディアによる劉氏に関する報道も遮断した。そのため、中国の一般市民が劉氏の平和賞受賞のニュースに触れたのは、中国外務省の平和賞に関する短い声明が報じられたときだけだ。同省は声明の中で、ノーベル賞委員会が平和賞の受賞者に服役中の反体制派である劉氏を選んだことについて「平和賞を汚す行為」と批判した。
しかし、中国のニュース視聴者にとって今回のような報道管制は決してめずらしいことではない。中国政府は情報統制の一環として、長年フェースブックやユーチューブなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や海外ブログサービスを遮断してきた。
また今年はじめには、ネット検閲をめぐり中国政府とグーグルが対立し、グーグルが中国国内の検索トラフィックを香港にリダイレクトする事態に発展した。
中国では世界最大規模の人員を投入して4億人を超えるネットユーザーの行動を監視していると言われる。この大規模なフィルタリングシステムは、不満を抱くネット市民の間で「中国のグレートファイアウォール(防火長城)」と呼ばれている。