幅広い芸術活動でその名を世界中に知られるマン・レイ(1890-1976)。
マン・レイの遺族が設立、全作品の著作権を所有するマン・レイ財団所蔵の写真、絵画、彫刻、デッサンおよびマン・レイ自身の所持品を一堂に集めて、2007年から欧州を巡回している展覧会が、この度初めて日本で紹介されることになりました。
「写真家」としてのイメージが強いマン・レイですが、今回は写真はもとより絵画、オブジェなど多岐に渡る分野で活躍した「アーティスト」、そして新しい技法やスタイルを編み出した「モダンアートの先駆者」としてのマン・レイに光を当て、その知られざる足跡を発見する旅へと皆様をご案内いたします。
本展監修者であるジョン・ジェイコブ氏と福のり子氏は4年の歳月をかけてコレクションの全貌を調査しました。その結果、日本展だけに出品される作品約70点を含む約400点が紹介される運びとなりました。
展覧会はマン・レイの生涯を「ニューヨーク(1890-1921)」、「パリ(1921-1940)」、「ロサンゼルス(1940-1951)」、「パリ(1951-1976)」の四つに区切り、時代にそってマン・レイの作品と、その発想源となったモノやイメージを対置させます。
財団にある豊富な資料の数々は、マン・レイが一つのモティーフを、スケッチから完成作品へとどのように変化させてきたか、あるいは彼が絵画やグラフィック作品に度々写真をベースにしたことなど多くの事実を物語ってくれるでしょう。
これまで一般公開されたことのない作品に加え、スケッチやデッサン、私的な文書に至るまで貴重な関連資料も多数含まれる本展は、マン・レイの広範で意欲的な創造活動、思考回路、そして歴史を追体験しながら、その作品と人生をより深く理解するまたとない機会といえます。
《天文台の時ー恋人たち》 1934年(プリント年不詳) ゼラチン・シルバー・プリント 2010 ©Man Ray Trust
会 場 | 国立国際美術館 |
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開催期間 | 2010年9月28日(火) ー 11月14日(日) |
開館時間 | 10:00-17:00 (毎週金曜日は19時まで) ※入場は閉館の30分前まで |
休 館 日 | 毎週月曜日 |
主 催 | 国立国際美術館、日本経済新聞社 |
協 賛 | 株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン、 財団法人ダイキン工業現代美術振興財団 |
協 力 | 日本航空 |
会 場 | 国立新美術館 |
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開催期間 | 2010年7月14日(水) ー 9月13日(月) |
開館時間 | 10:00-18:00 (毎週金曜日は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで |
休 館 日 | 毎週火曜日 |
主 催 | 国立新美術館、日本経済新聞社 |
協 賛 | 株式会社ニコン、株式会社ニコンイメージングジャパン |
協 力 | 日本航空 |
当 日 | 団 体 | |
一 般 | 1,500円 | 1,200円 |
大学生 | 1,200円 | 900円 |
高校生 | 800円 | 500円 |
当 日 | 団 体 | |
一 般 | 1,500円 | 1,200円 |
大学生 | 1,200円 | 900円 |
高校生 | 800円 | 500円 |
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1890年 | フィラデルフィアで誕生 |
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1910年 | スティーグリッツと 出会う |
1913年 | コネチカット州リッジ フィールドに移住 |
同年 | 詩人ドンナ・ラクールと結婚 |
1915年 | マルセル・デュシャンと出会う |
黒と白 1926年(2010年) ゼラチン・シルバー・プリント
無題(黄金の唇) 金
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シュルレアリストたち
1930年 ゼラチン・シルバー・プリント 無題(レイヨグラフ) 1920年代(プリント年不詳) レイヨグラフ |
1921年 | パリへ移住。 キキと出会う。 |
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1929年 | リー・ミラーと出会う ソラリゼーションを始める |
1936年 | アディ・フィドゥランと出会う |
1940年 | アメリカへ戻る |
から騒ぎ1949年 油彩・カンヴァス |
イサム・ノグチ
1940年代 ゼラチン・シルバー・プリント |
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ことわざ
1944年(1973年) ブロンズ |
エヴァ・ガードナー
1950年 ゼラチン・シルバー・プリント |
永遠の魅力 1948年 木 |
1940年 | ジュリエットと出会う |
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1941年 | サンフランシスコのデ・ヤング美術館で回顧展 |
1944年 | パサデナ美術研究所で 大回顧展 |
1946年 | ジュリエットと結婚 |
無題(マン) 制作年不祥 ミクスト・メディア |
無題(セルフ・ポートレイト) 1947年 リトグラフ |
フェルー街
1952年(1974年) リトグラフ |
花を持つジュリエット 1950年代 マン・レイ考案の色彩定着技法による カラー・ポジフィルム |
ジュリエット・グレコ 1956年 マン・レイ考案の色彩定着技法による カラー・ポジフィルム |
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赤いアイロン 1966年 ミクスト・メディア |
1951年 | 再びパリへ移る |
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1961年 | ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞受賞 |
1968年 | デュシャン死去 |
1976年 | フランス政府から芸術功労賞を授けられる。 11月18日、パリの自宅で死去。 |
記者発表会のご報告 | |||||||||
2月15日(月)「マン・レイ展 知られざる創作の秘密」の記者発表会が、会場となる国立新美術館で開催されました。 | |||||||||
ヨーロッパ各国を巡回してきたマン・レイ展。なんと日本展では特別出品約70点を加えた総点数約400点という多彩な作品でアーティスト マン・レイをご紹介します。記者発表会での監修者ジョン・ジェイコブ氏(通訳:福のり子氏)のお話から本展の見どころをお伝えします。 | |||||||||
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"最初に財団の方から「マン・レイの回顧展をやらないか」とお話があった時に、作品数は大体400点くらいだと聞いていました。それくらいなら調査はすぐに終わるだろうと思って始めたんですけれども、実際には調査だけで4年かかり、4年終わった時に見た作品というのは約4,000点ありました(笑)。私達が企画したその展覧会は2007年からヨーロッパをまわり6カ国7つの美術館を巡回しています。 調査を始めて4年、展覧会が3~4年ですからもう8年くらいずっと関わっているということですね。7カ所すべての展覧会場に行って作品を掛ける作業をしてきましたが、その度に「ああこの展覧会の(展示の)良いところはもっと良くすればいいし、弱いところは改善すればいいな」といろいろ思っていました。それが2010年の今年、日本にこの展覧会を持ってこられて、ヨーロッパの展示会でずっと考えていたことがみんな実現できるのです。つまり新しい作品を入れて、弱いところは補強し、強いところはもっと強くするということができるようになりました。 日本展でのみどころはまず、マン・レイが撮ったカラー写真です。例えばヨーロッパ巡回のほんの数週間前に彼が撮った一連のカラー写真が発見されました。ヨーロッパでは急遽数点しか展示できなかったのですが、日本展では発見されたカラー写真のポートフォリオ全部をご紹介することができます。他にもマン・レイがパリのアトリエに飾っていた、自分で撮った写真を自分が選んだ額に入れた作品というのがあるのですが、それもすべて額のまま皆さんにご覧いただけることができて大変嬉しく思っています。リー・ミラーの写真もヨーロッパ展では事情があって展示できなかったのですが、日本ではそれも含めてご覧になれます。私個人的にはそのリー・ミラーの写真もとても素敵で気に入っているので大変嬉しく思っています。 本日は皆様お越しくださってありがとうございます。この展覧会のことを一人でも多くの方にお伝え願えればと思っています。日本には沢山マン・レイのファンの方がいらっしゃると私は聞いております。皆様どうかよろしくお願いいたします。" 記者発表会の模様を動画で見る ▶▶▶ |
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小説家 平野啓一郎氏による講演会「ダダ・シュルレアリスムの時代とマン・レイ」 | ||||||||||||
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2010年8月27日(金)、マン・レイの誕生日記念イベントを開催しました | |||||||||||
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<終了いたしました> 「マン・レイ展」記念ワークショップ:マン・レイのオモシロ写真、レイヨグラフを作ろう! |
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マン・レイの作品技法として有名な「レイヨグラフ」を取り上げ、暗室作業の代わりに太陽光をつかって小学生を対象にわかりやすく、楽しく体験できる写真のワークショップを開催します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
「レイヨグラフ」とは マン・レイは暗室で写真の焼き付け作業をしているときに、カメラを使わないで写真を撮影する方法を偶然に発見しました。写真の印画紙の上に直接さまざまな身の回りにある道具を置いて感光させるこの技法に夢中になったマン・レイは、自分の名前をとってレイヨグラフと名付けました。本展には、レイヨグラフはもちろんのこと、他にも不思議な作品が約400点も出品されています。皆様のご参加、ご来場をお待ちしております。 |
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※個人情報について:本ワークショップ受講のお申込にあたり、お客様よりいただいた個人情報につきましては、受講に関するご連絡および申込多数の際の抽選結果のご連絡以外に使用いたしません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
横尾忠則さん登場!「マン・レイ展」記念対談「マン・レイの魅力」<終了しました> | ||||||||||||||||
絵画、ポスター、写真など「美術家」として様々なジャンルの芸術に取り組み、国内外で幅広く活躍されている横尾忠則氏に、国立新美術館の南雄介学芸課長がお話を伺います。 横尾氏は、マン・レイの幅広い芸術活動について深い思い入れをお持ちです。今回の展覧会もまさしくそんなマン・レイの芸術に対する広範な取り組みを紹介することを目的としたもので、約400点にも及ぶ作品や関連資料を展示する大展覧会です。 皆様のご参加・ご来場をお待ちしております。 |
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横尾忠則(よこお ただのり)氏:美術家 1936年兵庫県に生まれる。1960年代はじめよりグラフィック・デザイナー、アート・ディレクターとして活躍する一方、1966年には京橋・南天子画廊で初の絵画展を開催、1980年代からは画家としての活動に軸足を移す。1972年のニューヨーク近代美術館での個展を皮切りにその後もパリ・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレに出品、2006年にはパリのカルティエ現代美術財団で個展を開催するなど海外でも活躍する。国内では2002年に東京都現代美術、2003年には京都国立近代美術館で個展を開催している。また、近年では日本経済新聞の日曜日朝刊に連載の瀬戸内寂聴『奇縁まんだら』の挿画を手がけるほか、小説家として執筆活動を開始し、2008年には泉鏡花文学賞を受賞するなど幅広い分野で活躍している。 2010年の7月には国立国際美術館で個展「横尾忠則全ポスター展」(2010年7月13日(火)‐9月12日(日))を開催予定。 【横尾忠則氏オフィシャル・ウェブサイト】http://www.tadanoriyokoo.com/ |
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マン・レイ展 カタログのご案内 | ||||||||||||||||||||
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