希少金属使わずポリマー作る クロスカップリング反応立命館大の北泰行教授(有機合成化学)らのチームは8日、パラジウムなどのレアメタル(希少金属)を使わないクロスカップリング反応により、薄型テレビなどに使われる「導電性ポリマー」を作るのに成功したと発表した。 ノーベル化学賞で注目が集まるクロスカップリング反応は有機化合物の合成手法で、テレビの液晶などに使われる有機ELや医薬品の製造に使われているが、触媒にレアメタルを使うため、高いコストがかかっていた。 チームはパラジウムに代わり、ヨウ素を触媒に使いクロスカップリング反応を起こさせた。レアメタルを使用した場合とは異なり、常温で反応を起こすことができ、余分な物質ができないことなどから、効率的に反応を起こせた。 ナガセケムテックス(大阪市西区)は来年度中に、導電性樹脂やコーティング材の販売を開始する予定。製造コストは約半分と見込んでいる。 北教授は「日本では、ヨウ素はチリに次いで豊富な産出量があり低毒性。将来的にはレアメタルに取って代わる可能性がある」と話した。 【共同通信】
|