米無人偵察機「グローバルホーク」 実物大模型を初展示
東京でNG社
米ノースロップ・グラマン社が都内で初公開した無人偵察機「グローバルホーク」の実物大模型(3月25日、東京・大田区の展示場で)
ステルス性を高めるため、尾翼はV字型、エンジンは機体上部に配置された「グローバルホーク」
米空軍がイラク戦争やアフガニスタンの対テロ作戦で使用している無人偵察機「RQ4グローバルホーク」の実物大模型が3月24、25両日、東京・大田区の展示場で防衛省・自衛隊関係者や報道陣に初公開された。
開発した米ノースロップ・グラマン(NG)社が日本に持ち込んだもので、カート・オーチャード同社日本副社長は「グローバルホークを自衛隊の次期中期防の中で検討してほしい」とPRしている。
RQ4は1990年代に開発され、すでに中東などでの11年間にわたる運用実績から、安全性や航空偵察能力が実証されている。現在は米空軍のほか米海軍も哨戒機として使用、米政府も同機を災害救助、環境調査、密輸監視などに用いており、ハイチ大地震ではいち早く被災地に展開、被害状況の確認などに活用された。ドイツなど米同盟国への輸出も決まっている。
NG社によると、グローバルホーク1機の機体システムの価格は約3000万ドル(約27億円)で、これに光学・赤外線カメラなど各種搭載センサーの価格が加わる。飛行時間は連続32時間で、3〜4機あれば長期常続的な地上監視が可能とされ、偵察衛星よりも柔軟に運用できる。
仮に日本で運用する場合、硫黄島基地などを拠点とすれば離着陸時の安全性に問題はなく、また、民間航空路よりはるかに高い1万8000メートル以上の高高度を飛行するため、民航機との空中衝突の危険もないという。
グローバルホークは3000ポンド(約1360キロ)の搭載能力があり、それぞれの国情に合ったセンサーの搭載が可能。日本の場合、高性能監視カメラを積めば日本近海を航行中の不審船の追尾のほか、外国海軍の艦艇が沖縄や小笠原諸島近くで行う訓練なども常続的に偵察できる。さらに高性能レーダーや赤外線センサーを搭載すれば早期警戒機としても活用でき、発射直後の弾道ミサイルの探知・追尾も可能という。