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柏市:懲戒免の職員、下水道工事で「相見積もり」を偽装 /千葉

 ◇組織ぐるみ、500件以上4億円以上か

 柏市土木部の男性職員(57)が市の工事を請け負う複数の土木業者から借金していたとされる問題で、職員は業者に工事を随意契約で発注する際、市の財務規則に違反して自分の判断で1社を選び、発注後に複数の業者から見積もりを出させて「相見積もり」を偽装していたことが7日分かった。偽装は後任者にも引き継がれ、06年度以降これまでに500件以上、金額で4億円以上に上るとみられる。【早川健人】

 市は職員を同日付で懲戒免職とし、当時の上司3人を戒告などとした。浅羽大嗣(あさばひろつぐ)副市長が会見して「組織ぐるみと言われても仕方ない。再発防止に取り組む」と謝罪した。

 市によると、職員は下水道部下水道維持課(現・土木部下水道維持管理課)にいた04~07年度、下水道で住宅の配管を本管につなぐ工事の発注を担当。07年度には126件、総額約1億1800万円分の工事を市内16業者に発注した。個々の発注額はいずれも130万円未満で、市の財務規則は随意契約を認めるが、3社以上に見積もらせ、安い業者に発注する「相見積もり」を義務付けている。

 ところが、職員は06年度ごろから自分の判断で業者を選び、順番に発注。工事後、発注した業者と無関係な2業者の計3社から工事前の日付で見積書を出させ、相見積もりを装っていた。市の調査に「市民にせかされ、早く工事をしたかった」と説明したという。

 この職員から08年度に業務を引き継いだ後任者も、今年7月の問題発覚まで同様の偽装を続けていたという。市は、06~09年度の工事544件、4億6234万円の大半で偽装があったと見ている。

 一方、職員は市の調査に、07年4月~08年9月「実弟の借金を肩代わりして苦しい」と5業者に借金を申し込み、計180万円を借りたと説明。5業者も下水道工事を受注しているが、件数や金額に偏りはなく、市は「便宜供与はない」と見ている。だが、返済状況が不明で借用書もないことから、不正な金銭授受の可能性も否定できないとして県警に相談。県警は関係者から事情を聴いている。

毎日新聞 2010年10月8日 地方版

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