FTA:韓国とEUが署名、与野党で異なる反応
与党「歴史的に評価されるべき偉業であり、直ちに批准すべき」
野党「手続きに問題、直ちに農畜産業対策を」
韓米FTAに関しても意見が対立
7日に署名された韓国とEU(欧州連合)の自由貿易協定(FTA)について、与党ハンナラ党は「歴史的に評価されるべき偉業」と大きく評価しているのに対し、野党・民主党は「手続きに問題がある」と強く反発するなど、与野党で異なった反応を示した。
ハンナラ党の安商守(アン・サンス)代表は同党の最高委員会で、「世界の国内総生産(GDP)の30%を占める、世界最大規模の市場がわれわれに開かれた。東アジアで最初にEUとFTAを締結し、新たなチャレンジのチャンスを手にしたという点で、歴史的な評価を受けるべきだ」と発言した。また「農畜産分野での被害を最小限にとどめ、競争力を高めるための追加対策が必要」としながらも、「国会はFTAの発効に問題が生じないよう、直ちに批准の手続きに入らなければならない」と述べた。
一方で民主党の朴智元(パク・チウォン)院内代表は、同党幹部が出席する政策会議で、「政府は十分な説明を行っていないため、協定の詳しい内容について把握できていない。国会内にこの問題について審議する特別委員会を立ち上げ、直ちに対策を立てなければならない」と主張した。さらに「韓国とEUのFTAは、国民の間での議論も行われなかったため、手続きの面で問題があった。とりわけ酪農関係者や養豚業者にとっては大問題だ。特に農畜産分野での対策を直ちに取りまとめなければならない」と述べた。
このような与野党の意見の違いから、韓国とEUのFTAは、韓米FTAと同じように国会での批准手続きで大きな壁にぶち当たりそうだ。
韓米FTAは署名からすでに3年が過ぎたが、韓米双方の議会で未だに批准が行われていない。この問題について政府とハンナラ党は、「次世代の成長動力として、また経済の体質を強化するためにも、直ちに批准すべきだ」と主張し、今通常国会での批准を念頭に置いている。しかし野党などでは、「農業分野での対策が取りまとめられないのなら、批准には応じられない」との立場を変えていない。韓米FTAについて野党の一部では、「国内対策」ではなく「全面的な再交渉」を求める意見さえある。鄭東泳(チョン・ドンヨン)最高委員をはじめとする民主党所属議員24人はこの日、民主労働党と共に、「政府が米国の言うがままとなって、国益を害するような状況を放置することはできない。韓米FTAにおける毒素のような条項は直ちに取り除かれなければならない」と主張し、全面的な再交渉を求める共同声明を発表した。
洪永林(ホン・ヨンリム)記者
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