根岸氏「まだまだやりたいことがある」…ノーベル化学賞

集まった学生らに祝福される、ノーベル化学賞受賞が決まった鈴木章・北海道大名誉教授（右）

米インディアナ州の自宅でピアノを披露する根岸英一教授と妻のすみれさん（共同）

　今年のノーベル化学賞を受賞した鈴木章・北海道大名誉教授（８０）と根岸英一・米パデュー大特別教授（７５）が受賞から一夜明けた７日、電話で対談し、同時受賞を祝福し合った。

　鈴木氏は札幌市内の北大会議室、根岸氏は米インディアナ州の自宅から電話。２人はともに、パデュー大のハーバート・ブラウン教授に学んだ経歴を持つ同門とあって、リラックスしたムードで会話は進んだ。

　「０２年と０３年にブラウン先生が我々を候補にノミネートされた」と鈴木氏が振り返ると、根岸氏は「先生は卓越した能力を植え付けてくれた」と、共通の恩師をたたえた。

　鈴木氏が、日本中が受賞にわき立っていることを、米国在住の根岸氏に伝える一幕も。ともに愛妻家らしく「奥様によろしく。体に気を付けて」とねぎらい合っていた。

　この日、根岸氏はパデュー大で数百人の学生を前にスピーチ。祝福イベント続きで食事を取る暇もなかったというが、「まだまだやりたいことがある」と疲れた様子も見せずに話し、万雷の拍手を浴びた。また、会見では日本人研究者に「若者は海外に出よ」と“脱・内弁慶”を目指すよう呼びかけていた。

　鈴木氏も北大でセレモニーに出席。約８０通の祝福メールが届き、眠れなかったというが、「学生が喜んでくれて感激している」と、感無量の表情だった。むかわ町出身の同氏の受賞に北海道も祝福ムード一色。高橋はるみ道知事は、電話で特別表彰を検討していることを直接伝え、鈴木氏に快諾されたという。

（2010年10月8日06時02分  スポーツ報知）

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