bobovieri
2010年08月28日(土) 23時00分00秒

モバイルコンテンツの市場規模をちょっとだけ詳しく分析してみたよ

テーマ:モバイル

Twitterの投稿で市場規模についてのTweetが意外とRTされたのでみんなそのへんの数字について興味をもってるのかな?と思ったので、MCF総務省 が公表している資料を元にちょっと掘り下げて分析?をば。
まぁ話半分の参考までにしてみてください。



大分類での市場規模
モバイルコンテンツでメシを食う。-大分類

モバイルコンテンツといっても着うたからゲームから幅広くありますが、とりあえず全体の規模について。(モバイル向け広告関連はこの資料では取ってません)


09年の市場規模は合わせて1兆5000億という景気のいい数字が出ていますが、そのうち1兆円分はモバイルコマース、要はECとかチケット販売とかオークション手数料とかで、デジタルコンテンツではないので残りの5000億分のデジタルコンテンツについて分析してみます。


各種コンテンツ分類別成長率

モバイルコンテンツでメシを食う。-対前年比成長率 モバイルコンテンツでメシを食う。-対前年比成長率棒グラフ


で、ここからが本番です。まず左の表は2008年と2009年の各コンテンツ市場規模の表になります。

右の棒グラフはその表を起こしたものですが色の分類がどれがどれやら分からないので左の表を基準にします。

棒グラフは見たい人は見てください。


んで、成長率ごとにちょっと色分けしてみました。

青が前年に比べて10%以上規模が落ちているもの

オレンジが10%以上伸びているもの

赤色が50%以上伸びているもの

です。


中分類をさらに分類してみる

これだけだと結局モバイルにおけるゲームとか着メロとか個別のコンテンツの市場ってどんくらいなのよって話になるので、それなりの規模があるものである程度まとめてみると


着発信関連メロディ市場規模=着メロ402億+着うた1201億+リングバック115億=1718億

モバイルゲーム関連市場規模=モバイルゲーム884億+アバター/アイテム販売447億=1331億

携帯カスタマイズ市場規模=待ち受け226億+きせかえ97億+装飾メール228億=551億

電子書籍市場規模=そのままで=500億


という感じでしょうか。モバイルソーシャルゲームの隆盛が取り沙汰されている昨今の感覚で捉えてみると、ゲームの市場規模って意外と少ないでしょう。(個人的にはそう感じます)

オンラインゲームとほぼ同じ くらいなんです。


え?占いカテゴリ?半分くらいザッパラスですから。


個別分析

目をひくのがアバター/アイテム課金の成長率です。3倍近く伸びています

GREE、モバゲーがほとんどを占めているんでしょうが、これまで主流だった月額課金で遊び放題というビジネスモデルが会員獲得の頭打ちに伴いARPU 向上に舵を切ったと見れなくもないです。月額課金で成長し「モバイル業界のスクエニになる」と豪語していた某G社の売上がこのタイミングで下落していることから推測できます。

デジタルコンテンツは質・量もさることながら売り方も考えないといけなくなってきました。


動画市場も伸びてますが恐らく増加分はほとんどBeeTVなので無視しましょう。

電子書籍も順調に伸びていますが、ここで「よっしゃチャンス!あんなもんセルシスにシステム借りてくりゃすぐできるから俺らも参入すんべ!」とか安易に考えちゃうと痛い目を見ます。理由としては単純に参入障壁の低さからレッドオーシャンになっちゃってるってだけですが、具体的にどうなってるのかを見てみましょう。


こういうときに便利なサイトをご紹介。

EZweb公式サイトカテゴリ

ソフトバンクオフィシャルコンテンツ検索

上記のサイトは、各キャリアの「公式コンテンツのカテゴリに掲載されているサイト」を調べることができるのです。

要はケータイ取り出してこのカテゴリにいくつサイトあるんだっけとかやらずにPCから見れるということ。超便利


え、なんでdocomoがないんだって?いや、あるにはあった んですよ…


んで、電子書籍って何サイトあるのよ?ということでauのを調べてみると。


モバイルコンテンツでメシを食う。-電子書籍

   ヌハハハハハハ。


auだけで441サイトがひしめき合っているんです。俺も俺もしすぎです。よくこれだけ企画通したなau。

これを電子書籍の市場規模が3キャリアで500億(え、Willcomはって?あんなもん誤差でしょ)として、携帯のシェア約30%のauだと約150億ということになります。


んで150億を440サイトで分配すると、1サイト年間で平均3400万の売上があることになります。月280万の売上。

まぁみんなで仲良く分け合ってるってのはありえない話で、推測ですがランキング1位とかになってくるとウン十億とか稼いでるでしょうね。ランキング上位20サイトで売上の80%(120億)くらい占めてるんじゃないでしょうか。(俺の好きなパレートの法則をだしてみる)


という感じで類推すると先程のピュアな参入意欲は消し飛ぶでしょう。まぁ電子書籍はロイヤリティも払わないといけませんし。

もちろん、新規サイトは各カテゴリのランキングトップページの最上段にNEW!がついて1ヶ月ほど表示してくれる措置がキャリア側で講じられますが、その効果がなくなったとたんリアルランキングに組み込まれて超絶後ろのページとかに追いやられるのです。誰が好き好んでランキングの5ページとか10ページ先のコンテンツに入会しますか。

(余談ですがランキング最下層のサイトの会員数は数十~数百人レベルとみていいです。月間売上10万程度とか。)


ちなみにリングバックトーンという聞き慣れない単語のカテゴリも大体おんなじ状況です。

何かっていうといわゆる待ちうたです。相手に電話かけるとプルルルの代わりに曲流すやつ。
モバイルコンテンツでメシを食う。-リングバックトーン


まぁぶっちゃけどの公式コンテンツのカテゴリもおんなじ状況だと思いますが、飽和していたゲームコンテンツ
カテゴリで彗星のごとく現れて上位に食い込んできた新規サイトがdocomoにあります。

それはカイロソフトが提供する「カイロパーク」。ミニゲームカテゴリでけっこうな順位をキープしています。

ゲームカテゴリで新規投入されて半年でTOP20入りとか普通ありえないんですが、カイロソフトは大集合NEOでアプリを提供してたんですね。その丁寧な作りにファンになった人達が相当いたということでしょう。

今後キャリアの公式サイトとして新規投入するパターンとして参考になる手法かと思われます。


ちなみに既存の公式サイトを買ってきて立て直すという手段もありますが「俺はモバイルコンテンツ業界の藤巻幸夫 になる!」という鉄の意志がないんだったらやめたほうがいいと思います。



最後に

まぁ締めの言葉は特に浮かばないんですが、売る仕組みやコンテンツの工夫、露出の方法などあれこれ考えてみんな頑張りましょうということで…。

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