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中国指導部に大きな試練 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞 (1/2ページ)

2010.10.8 18:23
このニュースのトピックスノーベル賞
2008年秋、中国の反体制派知識人を追悼する記念式典で弔辞を読み上げる劉暁波氏(関係者提供)2008年秋、中国の反体制派知識人を追悼する記念式典で弔辞を読み上げる劉暁波氏(関係者提供)

 【北京=伊藤正】ノルウェー・ノーベル賞委員会が、中国の反体制作家、劉暁波氏にノーベル平和賞授与を決めた背景には、中国が経済発展の陰で、国民の民主的権利を抑圧しているとの国際的批判の高まりがある。中国政府は「内政干渉」と反発するだろうが、国内でも政治改革への圧力が強まる中、中国指導部は劉氏受賞への対応に苦慮しているとみられる。

 劉暁波氏が平和賞の有力候補と伝わった後、ある中国の知識人は「もし受賞すれば、共産党のおかげだな」と話した。劉氏に対する懲役11年の判決には、世界各国から批判と抗議の声が上がり、劉氏は一党独裁体制の犠牲者、民主化運動の殉教者として同情と共感を集めたからだ。

 1970年代末に改革・開放に転じて以来、中国は経済発展のために、対外開放路線を取り、国際化を進める一方、党に対抗する言論や活動は弾圧し続けた。改革・開放開始直後の79年、一党独裁を批判した魏京生氏を懲役15年に処したのに始まり、89年には、民主化運動を武力鎮圧した天安門事件が起こった。

 魏氏に適用された「反革命宣伝扇動罪」は、97年の刑法改正で国家政権転覆扇動罪と名称を変え、今回の劉暁波氏の罪名になったが、党批判を封じ込める本質は不変だ。弾圧は、言論にとどまらず、党の意に沿わない宗教活動や人権擁護運動にまで及んだ。

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劉暁波氏
2008年秋、中国の反体制派知識人を追悼する記念式典で弔辞を読み上げる劉暁波氏(関係者提供)
2007年4月、北京市内のレストランで食事をする劉暁波氏(左)と妻の劉霞さん(野口東秀撮影)
ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の写真を示す劉霞夫人=10月3日、北京(ロイター)
北京市内の自宅の書斎でくつろぐ劉暁波氏=2007年春(野口東秀撮影)

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