ノーベル平和賞に劉暁波氏 服役中、中国当局の反発必至劉暁波氏 【ロンドン共同】ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、2010年のノーベル平和賞を、中国の著名な民主活動家、劉暁波氏(54)=「国家政権転覆扇動罪」で服役中=に授与すると発表した。「長年、中国で基本的人権(の確立)のため非暴力的な手段で闘ってきた」ことが授賞理由。国内に住む中国人がノーベル平和賞を受賞するのは初。受刑者への授与も異例だ。 同委員会は劉氏が1989年の天安門事件に参加し、共産党一党独裁体制の廃止などを訴えた2008年の「〇八憲章」の起草を主導したことに言及。中国に「世界第2の経済大国として、一層の責任を持たなければならない」と人権状況の改善を強く迫った。 昨年の受賞者であるオバマ米大統領は同日、劉氏の受賞決定を歓迎し、劉氏の即時釈放を求める声明を発表した。 劉氏の妻、劉霞さん(49)は共同通信に、「中国で民主化運動に携わる友人らへの励みになる」と喜びを語った。 一方、中国政府は同日、駐中国ノルウェー大使を呼び、正式に抗議。中国外務省報道局長は談話で、劉氏を「犯罪者」と批判したうえで、平和賞授与は「賞の趣旨に完全に背いており、平和賞に対する冒とくだ」と強く反発した。 【共同通信】
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