37871cd57e73ac86村木女子を陥れる為、冤罪を捏造するための文書の偽造もいとわない検察の体質は、戦前の特高を思わせる。どうせ偽造した一人の中間管理職のトカゲの尻尾切りで終わるだろうが、この事件はあらためて国家権力というものを考えさせる機会にはなったようである。

では国家権力とはなにか、一言でいえば「馬鹿と鋏は使いよう」としかいえない。つまり馬鹿とは法律の執行官である。鋏とは法律ならびに法律を作るヒト、すなわち官僚と政治家である。

岸信介の評価は低いが、このシステムを具体的に熟知していた政治家ではあった。戦前大臣であった彼は将校の弾圧を受けたさい「だまれ!兵隊」と一喝したという。つまり高級将校だろうが高級官僚だろうが、ただの執行官であって、交番の警察官も消防士も軍人も役場の職員とおなじ法に基ずいて「公務」をおこなうための人員でしかないのだ。

これに対して立法に携わる議員はすくなくとも普通選挙で選ばれた国民の代表であり、内閣に加われば行政の長であるはずだ。だから権力は代議員制度の下では政治家にある。ゆえに司法に対して総理大臣という絶対権力者は指揮権発動すら容易ならしめるのだ。たかが「公務員」の分際で大臣に迫るのに対し「だまれ!」と言った岸信介はゆえに正しいのである。彼は民法の神様のような我妻栄と並んで東大で法律を勉強しただけあって、近代国家における権力構造の仕組みはよく知っていたと思われる。巣鴨プリズンを経た後の岸は全く評価できないが、戦前までは、たまには正しいことも言ったらしい。

そのような位置にある検察官僚がなにを思い上がったか、月光仮面じゃあるまいし正義の味方は地検であると勘違いしたらしい。自分の筋書き通りに世の中が進むのだから証拠の改竄は言うに及ばず、冤罪、公金の使い込みなど当然の権利だと考えているようだ。

魔女裁判を得意とする特捜検事・前田恒彦は大阪のみならず、東京地検の応援でもうひとつの魔女裁判、「小沢一郎の政治とカネ」事件にも関与している。何をかいわんやである。

鋏=政治家に切れ味がなくなると、きまって馬鹿=官僚がのさばってくる。つまり馬鹿も鋏もうまく使えない国民は、歪んだ国家権力によって何時魔女狩りされてもいいように覚悟を決めるしかない。

おいコラ警官がそのうち跳梁跋扈することだろう。国民の運命だから諦めよう。自分がそうしてしまったのだからあえて甘受するしかない。

そろそろ俺も捕まるかな?