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【国際】

タリバンと秘密交渉 カルザイ政権、停戦を模索か

2010年10月7日 朝刊

 【バンコク=古田秀陽】六日付の米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタンのカルザイ政権と反政府武装勢力タリバンが停戦を目指し、高官レベルの秘密和平交渉を開始したと報じた。二〇〇一年の開戦から七日で丸九年を迎えるアフガンでの掃討戦はタリバンの攻勢で泥沼化しており、オバマ米政権も来年七月の米軍撤退開始目標に向け、武装勢力との和平交渉が必要と判断したとみられる。

 同紙によると、タリバン側の代表は最高指導者オマル師やパキスタンに置かれている意思決定機関の評議会(シューラ)の了承を得て交渉に出席。タリバンに近い情報筋は「タリバン代表は、非常に真剣に事態打開への道を探ろうとしている」と評価している。

 交渉では、駐留外国部隊の撤退時期と、タリバンの政権参加を含めた包括的な合意案について話し合われる可能性がある。

 これまで内部に和平交渉への反対論があったオバマ政権も今夏から姿勢を変え、今回は交渉を支持。欧州外交筋によると、同政権はアフガンへの増派を完了し、掃討作戦を進めたが軍事的成果が挙がらないため、方針を転換したのではないかと指摘する。

 アフガンの治安状況は開戦以降、最悪の状況となっている。今年の駐留外国部隊死者数は昨年一年間の五百二十一人を超え、過去最悪の五百六十二人(五日現在)で、九年間の外国部隊死者数は計二千百三十人(同)となっている。

 タリバンの拠点である南部では今年二月から米軍やアフガン軍が掃討作戦を続けているが、タリバンの攻勢は強く、戦闘は泥沼化。外国兵の死者は南部に集中しており、ヘルマンド州では九年間で約六百人、隣接するカンダハル州でも三百人以上となっている。

 

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