米当局者らによると、パキスタンの情報機関は同国に拠点を置く武装勢力タリバンに対し、アフガニスタンでの対米戦闘を続け、和平提案を拒否するよう圧力をかけている。米国防総省の戦闘終結戦略の主柱に打撃を与える動きだ。
これは米国による一連のパキスタン批判の最たるもので、アフガン戦闘で絶対不可欠の同盟国であったパキスタンとの関係悪化を示している。米国はパキスタンに対して、軍事、開発などの面で数十億ドルを与えている。
米国とアフガンは、タリバンの中間指揮者層に対して、雇用あるいは現金の供与と引き替えに武器を置くよう説得している。首都カブールでは今週、和平プロセス開始に向けた動きがみられた。しかし、当局者らによると、戦闘を放棄したタリバンはほとんどいない。一部のタリバン指揮者や米当局者は、パキスタンの情報機関である3軍統合情報局(ISI)が、降伏しないようタリバンの指導者らに圧力をかけている、と述べた。
アフガン東部クナール州のタリバン指揮者は「ISIは(ISIの)命令に従わない指揮者らを逮捕しようとしている」と話した。米当局者も、捕虜にしたタリバン・メンバーや武装放棄の交渉をしているメンバーから同様の報告を聞いたとしている。
これに対してパキスタン政府の高官は、パキスタンは武装勢力と戦っているのであって支援しているのではないと否定した。この高官は「アフガニスタンでうまくいかないことがあると、いつでもISIがやり玉に上げられる」とし、「正直に言って、アフガンのあらゆる茂みにはISIのエージェントが隠れているとみられている」と憤りをあらわにした。
当局者らによると、7月に着任したペトレアス・アフガン駐留米軍司令官は、パキスタン国内にあるアフガン・タリバンとタリバン強硬派ハッカニ・グループの攻撃根拠地はそれまで考えていたよりも大きな脅威だと述べたという。
同司令官は9月、この問題をカルザイ・アフガン大統領がしばしば取り上げているとし、「大統領が繰り返し取り上げる最大の問題は、タリバンとハッカニ・グループがパキスタンに持っている聖域に関することだ。私も同じ懸念を抱いている。これは大統領と私がパキスタンのパートナーらと話し合った懸念だ」と述べた。