4年ぐらい前に組んだ、今から見るとだいぶ不十分・不適切なE&Eキットの一例です。
そもそも組んだ当時ですらやっつけ仕事でサイリウムを入れたりしています。
その当時と比べて、キットに組むような個々の装備も格段にいいものに更新されているので、今はもっといい内容で組めると思います。
今回の記事は、キットを組むにあたってとりあえず思いついたことを書きます。
今後、個々の要素を個別に記事にしたいな・・・と思っていますが、どうなるかはわかりません。
いずれにしても、E&Eキットについては今後別記事で「まとめ」をする予定です。
ブログの内容は、年内を目処にそれぞれのテーマごとに再整理をしようと考えています。
サバイバルキットであったり、IFAKなど戦闘衛生関係であったり、それぞれまとめた方が、ネットで情報を集めている人にも見やすいと思います。
まとめが完了した後、更新を終了してネットからずらかる予定です。
しばらくの間、内容が古すぎない間は公開し続ける予定です。
■アウトドアのサバイバルキットと軍のE&Eキットの最大の違い
アウトドアの場合は行動事態の計画、本人の能力(体力)、装備の質が適切であれば、そもそもサバイバルキットが必要な状況をほぼなくす事が可能です。
一方で軍の場合は、敵は意思を持って攻撃してくるため、組織的な戦闘が継続できなくなり逃げる、と行った状況は、本人や部隊の技術・装備の問題だけに依存する事なく発生します。
そのため、アウトドアのサバイバルキットは、組む前にやるべきことが多々あり、軍のE&Eキットはいずれにしろ組む必要がある装備だと言い切れると思います。
■アウトドアの場合
キット事態よりも、キットを組む過程で身に付ける知識と技術がむしろキットそのものより重要である、という考えは過去ログにも書いています。
また「キット」としなくても、十分に予備や補助用品を吟味して装備を組めば結果的には同じだと思います。
キット以前に、適切な装備を選ぶことが重要ですし、装備の運用についても適切に行う必要があります。
簡単な例を挙げれば・・・
・寒冷地で、寝袋や防寒衣類、最低一組のベースレイヤーをドライバッグに収納する
→予期せぬ飲料水の漏れ、天候の予想外の変化、転倒などによる予想外の水没が低体温などの大事故につながる事を防ぐ
・携帯を防水の機種に替える、フィールドで充電できる道具を持つ
→手に負えない場合に助けを求める事ができる(小さな事故なら友人や所属する組織、大規模なら警察・消防)
・ナビゲーションが重要なルートを動くのであれば、予備の地図を持つ(防水処理したカラーコピーした地図や、防水紙に印刷する)
・電子機器があるなら予備の電池を持つことと、可能であれば電池の互換性を考えた装備にする
それら以前にはそもそも、正しい技術を身につけるという事であったり、適切なコース計画、エスケープルートの確保などなどお金をかけてキットを組む前にやることはたくさんあると思います。
個別の要素であれば、通信が遭難時には最重要です。
自力で回避できない事態が「遭難」した状況なので、通信手段がなければ偶然見つかるのを待たなければならくなります。
特に極限の環境である極寒地、寒冷地、洋上であれば、何よりもまず非常事態である事を救助組織に知らせる必要があります。
電波が届く範囲の日本の山であれば携帯電話、そうでなければアマチュア無線が日本では該当します。
アマチュア無線をわざわざ非常用のためだけに持つのも無駄が多いで・・・せっかく免許を持って機材もあるのであれば、常用すればそもそも事故を防げたり早い段階で周りが事故に気付くことになります。
北米であれば、ACR社などが衛星を使った緊急連絡用の発信機が手に入ります。
http://www.acrelectronics.com/product2.aspx?sku=2898
救助組織側が対応できていないだけであって、日本でも使えるのかもしれません。
その他には、シグナルミラーが軽量かつ日中であれば極めて有効ですし、洋上以外では本格的なストロボは不要ですので、Essential Gear社Guardianなどの小型のストロボマーカーもしくはMicrophotonなど小型LEDのストロボ機能でいいのではないかと思います。
http://www.holkin.com/essentialgear.html
洋上ではストロボは極めて有効なので、ACR社などの本格的なストロボ必要になると思いますが、そもそも洋上でのサバイバルの基本の基本は、ライフベストの着用にたどり着くと思います。
トップ画像のキットには発炎筒を入れていますが、重量を考えると不要だと思います。
グループであれば、1本あってもいいかもしれません。
積雪期であればシーマーカー(海面用の染色剤)で雪面を染める方法もあります。
不十分な装備でバックカントリースノーボードに出て遭難した事故が去年あたりにあったと思いますが、あのような事例であればこの種のマーカーがあればより簡単に発見されたと思います。ただし、その前に携帯の電池式充電器が装備としては先にくるとは思います。
シーマーカーは船舶用の非常用品として販売されています。
100gほどのパッケージがあるようですが、どの程度の雪面を染めれるかはわかりません。
他の手段としては黄色系など、明るい色の入浴剤でも雪面はきれいに染まるようですがそこまで持つ必要性は感じません。
■E&Eキット
キット内容だけでなく1st line(ベルトやBDUのポケットなど、ベストなどの装備を外しても身につけている装備)全体で考えるべきだと思います。
E&Eキットに内容としては、過去ログの「任地へ赴くものへ」の中にあるキットの内容が参考になるのではないかと思います。
食料の確保に時間をかけられない事を考えると、多少の食料もキットに含める事になります。
スポーツ用であったり、日本ではビジネスマン向けのラインナップなど選択肢は多いと思います。
ただし、補完環境を満たすかどうかは一考する必要があると思います。
半年前に買ったトレイルミックスが装備の箱の中にありましたが、期限内とはいえパッケージ片側に偏り怪しい感じになっていました。
保存が簡単という観点からは、船舶用の救難非常食の類が向いていると思います。
国内では萬有栄養株式会社が船舶用の非常食を、防衛省を含めて官にも納入しているようです。
トップ画像の食料も同社のものです。
http://www.banyu-e.com/shoppnig_2/hijyou/index.html
同社はパッケージ入りの水も販売しており、50ml×10パックで399円と価格も手ごろです。
全て入れると重すぎるので2,3袋を入れてあとは現地調達(洋上を除く)するというのが妥当な案かと思います。
ちなみに、アルミパッケージで遮光してる場合の保存期限ですので、環境が厳しい場合は同社の別のセットに含まれる50ml×3個入りのアルミパックが良さそうです。
E&Eキット用の小型のファーストエイドキットは、医薬品が中心になるかと思います。
「現場で手に入らないもの」がキットに含まれるべきですし、衣類で代わりがきくような包帯関係よりは痛み止めであったり、あるいは抗生物質が中心になると思います。
市販品よりも医師の処方薬の方が圧倒的に効果的です。
もし必要になるのであれば、想定される具体的な環境をかかりつけの医師に相談するのがベストだと思います。
組み合わせる事ができない薬も多いので、その場合はキットに含める薬品全ての相談をした方が良いのではないかと思います。アウトドアの長期遠征のキットにも同じことが言えます。
後進国の旅行の場合も該当しますが、具体的な話がないマニアが相談しても医師が困惑する事になると思うので・・・。
自分が昔、東南アジアの最貧国の一つと言われている国に行った時は、医師が抗生物質を出してくれました。
「一番強力だから、絶対に安易に使うな」との事で説明を受けましたが「高いからうちにはこれしかない」と出されたパッケージはメーカーの試供品でした(笑
トップ画像の小型FAKは不適切(不要)な内容だらけです。
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