許せない拉致事件、でも日朝国交正常化交渉を
9月17日、届いた衝撃。私たちにとってはまさに大ショック!眠れない夜を過ごしました。“死”という残酷な別れの辛さを知っている私たちにとって、肉親の方々の怒り、悲しみが我がことの様に感じられますから・・・・。
いかなる国、地域においても、何びとであっても拉致などという事件を起こすことは決して許されることではありません。この拉致事件を起こした者は厳しく処断されなければなりません。
朝鮮民主主義人民共和国は、事件の全容を明らかにし、被害者と被害者の家族に対し謝罪と償いを行う責任があり、こういった事件を再び起こさないことの保障をする必要があります。私たちはこのことを強く求めます。
日朝首脳会談は「金総書記による拉致事件の報告とお詫び、小泉首相による朝鮮の人々に多大な損害と苦痛を与えたことを謙虚に受け止め痛切な反省と心からのお詫び」が表明され、「日朝平壌宣言」により日朝国交正常化交渉の再開を合意しました。共同通信社の緊急世論調査によれば日本国内においてこの日朝首脳会談を86パーセントの人々が評価すると報道されています。私たちも評価したいと思います。
日朝間に横たわる「不幸な歴史と関係」を清算し、「宣言」に盛り込まれている懸案の諸問題の解決は、双方が同じテーブルにつき、誠実な話し合いと理解の中からこそ生まれるものと思います。その道のりは険しく、長い時間がかかるのかもしれません。しかし交渉が再開されることに希望を持ちたいと思います。その交渉の中から日朝の国交正常化への道筋がつくられ、日本人と朝鮮人の友好関係の基礎がつくられると考えるからです。
私たちは、日本人と朝鮮人とりわけ在日の方々との民衆と民衆、草の根からの交流すなわち「民際化」の活動を通して、日朝の本当の意味での友好を築きたい、共に生きていける社会をつくり上げたいと、これまで考え、行動してきました。そして、これからもこの活動は続けてまいります。
「在日の人も住みやすい社会は、私たちにとっても住みやすい社会」
私たちが2年前に出したコメントを再度確認して、真(ほんとう)の日朝友好を築き上げたいとあらためて決意を固めています。
2002年9月
都市問題研究所 日朝友好促進京都婦人会議
事務局 江原 護 末本雛子