アプレイウス「アモルとプシューケー」
(=『黄金のろば』IV,28-VI,24)の
構成
導入
第IV巻
28-29 導入。二人の姉の存在。プシューケーの桁外れの美しさの説明。
30-31 ウェヌスが嫉妬し、プシューケーを卑しい男と結婚させるようアモルに指令する。
32 プシューケーの不運。
33 プシューケーの結婚に関するアポロンの神託。人々の悲しみ。
34 プシューケーの「葬儀」の準備。プシューケーの別れの言葉。
35 プシューケー、山の頂上から救い出される。
アモル(=クピードー、まだ見えない)との結婚生活(次第に破局に向かう)
第V巻
1-3 プシューケー、神殿を発見、観察。
4 正体不明の夫との結婚生活。家族の心配。
5 夫、姉たちの計略についてプシューケーに警告。プシューケー、そのため余計に悲しくなる。
6 プシューケー、姉たちに会う許可を得る。
7-8 姉たちとの再会(一度目)。夫については嘘でごまかす。
9-10 姉たちの嫉妬、悪だくみ。
11 夫、再びプシューケーに警告。子が生まれることの告知。
12 プシューケーの喜び、姉たちの来襲準備。夫、最後の警告。
13 プシューケー、夫に約束。再び姉たちに会う許可。
14-15 姉たちとの再会(二度目)。夫について前回と矛盾する嘘。
16 姉たちの計略。
17-18 姉たちとの再会(三度目)。「夫は大蛇に違いない」と嘘をつく。
19 プシューケー、それを信じる。
20 姉たち、「大蛇」を殺す作戦を伝授。
21 プシューケーの迷い。
22 作戦の実行。夫の美しい姿を見てしまう。ランプの油が垂れて眠っているアモルを起こしてしまう。
23 プシューケー、夫の矢で自分の指を刺してしまう。
24 夫=アモル、正体を明かし、プシューケーを責めて飛び去る。
プシューケーの放浪
25 プシューケー、川に身を投げる。川、プシューケーを救う。パーン(牧神)、プシューケーを慰めてアモルを探し出すよう勧める。
26-27 プシューケー、姉の一人に会って事の次第を話す。嫉妬に駆られた姉は妹と同じ経験をしようとして断崖から飛び降り、死ぬ。もう一人の姉も同じようにして死ぬ。
28 ウェヌスの鳥、出来事をウェヌスに告げ口する。
29-30 ウェヌス、息子のところに行って悪態をつく。
31 ケレースとユーノー、ウェヌスを宥めようとするが失敗。
第VI巻
1 プシューケー、放浪を続ける。途中ケレースの神殿を見つけて掃除する。
2-4 やってきたケレースに助けを願うが断られる。ユーノーの神殿も見つけて祈るが、これも断られる。
5 プシューケー、ウェヌスのもとに自分から出頭しようと決意。
6-7 ウェヌス、ユピテルに頼んでメルクリウスにプシューケーを探させる。
8 メルクリウスの布告文。プシューケー、ウェヌスの館に出頭する。
9 ウェヌス、プシューケーを虐待し、下僕とする。
10 ウェヌス、各種の豆粒を混ぜてそれを元通りに選り分けることを命令(第一の難題)。蟻がプシューケーを助けてくれる。
11-13 ウェヌス、近くの森から金の羊皮をとってくることを命令(第二の難題)。プシューケーは悲観して川に身を投げようとするが、葦がしゃべり出してアドバイスをくれるので、うまくいく。ウェヌス、今度は冥界に流れ込む川から水を取ってくることを命令(第三の難題)。
14-15 峡谷に分け入ったプシューケーが命令の難しさを悟って悲観すると、ユピテルの鷲が飛んできて代わりに水を汲んできてくれる。
16 ウェヌス、冥界に降ってプロセルピナから「美しさ」を少し分けてもらってくることを命令(第四の難題)。
17-19 プシューケー、今度こそ悲観して高い塔から飛び降りようとするが、塔がしゃべりだして手順をすべて教えてくれる。
20 プシューケー、教わったとおりにして首尾よく「美しさ」の入った小箱を抱いて帰る途中、好奇心のために箱を開けてしまう。
プシューケーの救い
21 箱に入っていたのが「冥界の眠り」だったため、プシューケーはその場に倒れてしまう。そこへ傷の癒えたアモルが来て彼女を助け起こし、また箱の中身を元通りにする。アモルに言われた通り、プシューケーはウェヌスの元に戻る。
22 アモル、ユピテルに事情を訴える。ユピテル、援助を約束する。
23 ユピテル、神々の会議を招集し、プシューケーを神にしてアモルと正式に結婚させることを宣告。ただちにそれを実行する。
24 神々の祝宴。その後、プシューケーから娘ウォルプタース(快楽)が生まれる。