岩手町は5日開かれた「町の医療を守る住民会議」で、県立沼宮内病院(60病床)で来年4月以降の入院患者の受け入れ継続に必要な医師を確保できなかったと報告した。県は今月中の移管先確保を条件に今年4月からの無床診療所化を1年先送りしてきたが、県議会12月定例会に来春から無床化するための条例案を提出する。
町健康福祉課などによると、町は昨年度から移管先として盛岡市の医療法人と交渉してきた。常勤医2人と非常勤医数人の体制で一般病床(19床)を維持し、小規模老人保健施設を併設する計画もまとめたが、医師との交渉が9月に決裂した。
住民会議では、提携先の変更を求める意見も出された。民部田幾夫町長は盛岡の医療法人との交渉継続を明言したうえで、「入院ベッドを確保する方針は変わらない。県にも医師確保に配慮を求める」と答えた。【山口圭一】
毎日新聞 2010年10月6日 地方版