北澤防衛大臣は、記者団に対し、今月11日にベトナムでアメリカのゲーツ国防長官と会談し、尖閣諸島沖での中国漁船による衝突事件を踏まえ、東シナ海などで活動を活発化させている中国への対応をめぐって日米の防衛当局間で連携を強化したいという考えを示しました。
北澤防衛大臣は、閣議のあと記者団に対し、10日からベトナムを訪問し、翌日11日にアセアン=東南アジア諸国連合の国防大臣会議に出席するアメリカのゲーツ国防長官をはじめ、ベトナムやオーストラリアなど各国の国防大臣と相次いで会談することを発表しました。そのうえで北澤大臣は、ゲーツ長官との会談について「中国による東シナ海などでの海上活動がたいへん活発で、中国の漁船と偶発的な事案が発生する可能性は十分ある。そうしたことの対応について共通認識を持ちたい」と述べ、尖閣諸島沖の日本の領海内で起きた中国漁船による衝突事件を踏まえ、東シナ海などで活動を活発化させている中国への対応をめぐって日米の防衛当局間で連携を強化したいという考えを示しました。一方、北澤大臣は、今回のベトナム訪問で、中国の梁光烈国防相とも会談したいとしていますが、外務省が7日まで会談を中国側に打診していなかったと指摘したうえで「外務省の対応はけしからん。腹が立っている」と述べ、強い不快感を示しました。これについて外務省は「中国側が閣僚級の交流を止めると発表した経緯もあり、会談を申し入れるかどうかは、当然、政務レベルで判断してもらう案件だ。そのために時間がかかったのであり、事務方の判断で中国側に会談を打診しなかったなどということはまったくない」としています。