2010年10月8日8時57分
「秘書に責任を押しつけて、小沢氏だけが逃げるとしたら、許せない」
法律の専門家の助言を得て、急いで小沢氏を「被告発人」に含めた告発状をつくって、同21日に特捜部に提出した。告発状の末尾には、あえて「何らの政治的意図やイデオロギーを背景として行っているものではない。売名行為で行っているのでもない」と結んだ。
捜査当局への告発は、だれでもできる。まもなく告発状は受理され、特捜部による小沢氏自身の事情聴取も行われた。しかし2月4日、特捜部は元秘書ら3人だけを起訴し、小沢氏を不起訴(嫌疑不十分)にした。
納得がいかず、東京の検察審査会に審査を申し立てた。土地取引事件では複数の市民団体が東京地検に告発したとみられるが、審査会への申し立て資格が認められたのは、小沢氏本人を告発して不起訴となった「真実を求める会」だけだった。
審査会の手で起訴に持ち込み、「小沢氏が無罪になったとしても、公判で資金の流れを明らかにして欲しい」との考えだった。十分な捜査をせずに不起訴にした特捜部への不満もあったという。
審査会を「政争の具」に使ったのではないか。その問いに対して代表は、「それは心外。小沢氏ありきでも、検察審査会の制度改正を利用したわけでもない」と反論した。「申し立てはあくまでも問題提起で、審査員も結局、公の場での説明が必要だと思ったから、このような議決になったのだから」と胸を張る。
4日の「起訴議決」の知らせを審査会事務局から電話で受けたときには、「とんでもないことを成し遂げてしまった」と驚いたという。
今後は、小沢氏の裁判の行方を見守ると共に、「今回の手応えをもとに、おかしいところはどんな政党であれ、追及したい」と語る。(藤森かもめ)