韓米FTA:オバマ大統領、早期発効を指示(下)

 米議会では同日、すぐに韓国とEUのFTA署名に危機感を覚える発言が飛び出した。韓米FTAを担当する下院歳入委員会で、共和党の幹事を務めるキャンプ議員は「韓国とEUのFTA署名は、米国の輸出業者、労働者が他国との競争で後れを取るかもしれないことを明確に示すものだ」との声明を出した。キャンプ議員は「万一米国が韓国政府と速やかに自動車、牛肉分野での問題を解決しなければ、EUは韓国市場でかなりの優位を占めることになる」と懸念を示した。

 下院貿易小委員会で共和党の幹事を務めるブラディー議員も、「韓国とEUのFTA署名は、オバマ政権が速やかに韓米FTAをめぐる未解決の争点を解決し、履行プランを議会に提出しなければならないという事実を改めて示した」と強調した。その上で、「万一韓国とEUのFTAが韓米FTAより先に発効すれば、米国は輸出面で数十億ドル(数千億円)の損失に直面する」と指摘した。

 しかし、米政界は11月2日の中間選挙に向け、韓米FTAには真剣に取り組めずにいる。一部議員はむしろ、繊維分野での韓米FTAの問題点を指摘する会合を議会で開いた。米ウォールストリート・ジャーナルが最近行った世論調査によると、回答者の69%が「FTAの締結で雇用が減少する」と答えた。

 このため、オバマ政権は来月の中間選挙終了後に、韓米FTA修正案を示すとみられる。消息筋は、米国がオバマ大統領による来月の訪韓を契機ととらえ、韓米FTAの争点を整理する戦略を立てているのではないかと指摘した。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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