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「プチプチ」日本企業がチリ落盤33人支援

 南米チリの鉱山落盤事故で今も地下に閉じこめられている作業員33人に、「プチプチ」で知られる気泡シート製造の国内最大手、川上産業(本社・名古屋市)が同社製品「プッチンスカット」を贈っていたことが6日までに分かった。「プッチン-」は縦10センチ横10センチの「つぶし」専用の癒やしグッズ。発案者で同社内のプチプチ文化研究所長、杉山彩香さん(33)は「少しでもみなさんの気晴らしになれば」と話している。

 杉山さんによると、商品納入先の人とチリ落盤事故について話したことが「プチプチ」を差し入れるきっかけだった。「地下に閉じこめられて退屈していることだろう。何か役に立てることはないだろうか」。川上産業では新潟中越沖地震の際にも、プチプチ製で保温効果の高い寝袋を現地に送っている。決断は速かった。狭い空間を考慮して、コンパクトで、気軽に手にとれ、気晴らし効果のあるものとして、33セットの「プッチンスカット」を9月上旬にチリ大使館を通じて贈ったという。

 誰もが1度はつぶした経験があるであろう、この「プチプチ」。もちろん本来は電化製品やガラス製品、クッキーなど衝撃に弱い商品を包むものだが、業界最大手の同社では01年に「プチプチ文化研究所」を立ち上げて包装以外の使い方について研究。業務用とは別の製法で、より爽快(そうかい)な音を出す娯楽用「プチプチ」を開発し、今では癒やしグッズとして定着している。

 チリ大使館によると、33人の生存が確認されて以来、日本国内から激励の手紙や千羽鶴、食料品、衣料品などの差し入れが続々と届いているという。「プチプチ」もその中のひとつだが、大使館関係者は「心遣いは本当にありがたい。『プチプチ』も早速、発送しました。あえてチリ語での説明などはつけませんでしたが、楽しみ方はみんな分かると思います」と感謝した。

 空気のツブツブをつぶすことは「無心になれる上、指先の運動にもなる。思わず手に取ってプチプチしてしまうのは人間の本能みたいなもので、世界共通だと思う」と杉山さん。そして「みなさんが1日も早く、無事に救出されることを願っています」。事故発生から2カ月。チリ政府によると10月下旬にも救出作業に着手する見通しだが、地下700メートルでまだまだ長い時間を過ごさねばならない33人に、地球の裏側から届いた「プチプチ」が癒やし効果を発揮するか。ちなみに同商品はネット販売が中心でオープン価格、230円前後で手に入る。【石井康夫】

 [2010年10月7日9時33分 紙面から]


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