有毒泥土、ドナウ支流に到達

６日、ハンガリー西部で有毒な泥土が流れ込んだ町並み（ＡＰ＝共同）

　ハンガリー西部にあるアルミナ（アルミニウムの原料）工場の大型貯水池の堤防が決壊し、化学物質を含んだ有毒な泥土が周辺に流出した事故で、同国当局者は７日、泥土が欧州の大水脈であるドナウ川の支流に同日到達したと述べた。ロイター通信が報じた。

　ハンガリーのオルバン首相は７日、西部コロンタールの現場を視察し「ドナウ川への泥土流入を食い止めるために戦っている」と強調。事故対策の当局者はＡＰ通信に「（ドナウ川などへの）深刻な環境被害はこれまで確認されていない」と述べた。

　泥土が到達した支流はドナウ本流から約２０キロの地点で、当局は泥土の中和作業を進めている。泥土が初めに流入した現場付近の川では汚染により魚が死んだが、下流域で死骸は見つかっていないという。

　堤防が決壊した原因は依然不明で、ハンガリー司法当局は捜査を始めた。一方、工場側は４日の事故発生の直前にも現場に異常はなかったと主張し、今週末の操業再開を求めている。

　ドナウ川は黒海に注ぐまでにセルビアやルーマニアなどを通過。各国は一斉に水質検査の強化に乗り出した。（共同）

（2010年10月7日21時24分  スポーツ報知）

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