根岸英一さん喜びの会見「若者は海外に出よ」

ノーベル化学賞に決まり、各社のインタビューに応じる米パデュー大特別教授の根岸英一さん（共同）

　ノーベル化学賞受賞が決まった米パデュー大特別教授の根岸英一さん（７５）は６日午前（日本時間７日未明）、同大で記者会見し「日本の皆さまと受賞の喜びを分かち合うことができれば望外の喜びだ」と語った。

　根岸さんはノーベル賞を「一つの坂を上って、最後にあるようなもの」と評し「５０年、夢を追い続けたら実現する可能性が高い。皆さんも頑張ってほしい」と若者らに励ましの言葉をかけた。渡米した理由については、研究を究めることができるのは米国だと思ったと説明した。

　また６日午後に行った２度目の記者会見では、内向き志向が指摘される日本人研究者らに対し「若者は海外に出よ」と呼び掛けた。「ある一定期間（海外に）出ることで日本を外から見ることが重要」と述べ若者に奮起を促す一方で、「日本はカンファタブル（居心地良い）」と皮肉った。

　会見後、数百人の大学生を前に「まだまだやりたいことがある」とスピーチ。朝５時に受賞決定を知らせる電話で起こされてから食事を取る暇もないほど忙しかったというものの、疲れた様子をまったく見せず、学生に向けて両手を大きく挙げて喜びを爆発させ、盛大な拍手に包まれた。

　教え子で同大４年のトルークスさん（２１）は「授業はとても厳しい。でも生徒がきちんと勉強するように後押ししてくれる非常にいい先生」と受賞決定を喜んだ。

　記者会見は英語と日本語で行われ、ユーモアを交えた根岸さんの語り口に会場からは笑いや拍手が起きた。（共同）

（2010年10月7日15時39分  スポーツ報知）

ソーシャルブックマークに登録