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日本人W受賞!鈴木&根岸氏にノーベル化学賞 

鈴木章・北海道大名誉教授(左)と根岸英一・米パデュー大特別教授
鈴木章・北海道大名誉教授(左)と根岸英一・米パデュー大特別教授
Photo By 共同

 2010年のノーベル化学賞を日本人2人が同時受賞することになった。スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、医薬品の製造などに欠かせない有機合成化学の分野に大きく貢献したとして、北海道大名誉教授の鈴木章氏(80)と米パデュー大特別教授の根岸英一氏(75)ら日米の3人に授与すると発表。これでノーベル賞受賞者は計18人、化学賞は計7人となる。日本人受賞は2年ぶり。

 鈴木氏は受賞の報告を受け午後7時すぎ、札幌市の北大キャンパスに到着。無数のフラッシュを浴びながら「アンビリーバブル(信じられない)」と英語で喜びを表現。「受賞は予想していなかった。ひとえに学生、共同研究者の協力のたまもの。資源がなく、人の努力と知識しかない日本のような国は理科系の発展が重要。今後は若い人の役に立つ仕事をしていきたい」と語った。

 菅直人首相からは電話で祝意を伝えられ「受賞はラッキーでした」と報告。さらに「(有機合成化学分野の)日本の科学技術は世界でもトップ水準なので、もっと生かすようにしてほしい」と注文を付けることも忘れなかった。

 根岸氏は米インディアナ州に滞在しており、電話会見で「とても幸せです。妻とともに喜びをかみしめています」とコメント。受賞の知らせがあった米国時間の6日早朝は「ぐっすり寝てました」という。

 日本人の化学賞受賞は08年、米ボストン大名誉教授の下村脩氏(82)に続き7人目。科学分野では00年から10人の受賞ラッシュとなった。

 授賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発」。両氏とも、79年にノーベル化学賞を受賞した米国の故ハーバート・ブラウン氏に師事し、根岸氏によると「8年前、わたしと鈴木さんの2人をノーベル賞にノミネートしたいと話してくれた」という。

 受賞者は3人で、もう1人はリチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)は3氏で分け合う。

 ◆鈴木 章(すずき・あきら)1930年(昭5)9月12日、北海道むかわ町(旧鵜川町)生まれ。54年に北海道大理学部卒業後、博士号を取得して59年に同学部助手。61年に工学部助教授。米パデュー大への約2年間の研究留学を経て、73年、北大工学部教授に就任。94年に退官後は名誉教授に。

 ◆根岸 英一(ねぎし・えいいち)1935年(昭10)7月14日、満州国新京(現中国吉林省長春)生まれ。58年東京大工学部卒業後、帝人に入社。63年に米インディアナ州ペンシルベニア大で博士号取得。再び帝人を経て、99年から同州パデュー大で特別教授。

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