GarminのGPS:Foretrex401
ハンディGPSは非常に便利な道具ですが、収納方法が良くないと使い勝手が低下してしまいます。
しかし、腕時計型のGPSであれば収納方法を考える必要もなく、見たいときに必要な情報を手軽に見ることが出来ます。
以前、GarminのForerunner305という腕時計型GPSを愛用していたのですが、内蔵充電池でしか駆動しないため、山行の前には充電状態をしっかり確認しておく必要があり、万一山行途中で電池切れになった場合は、単なる重りになっていました。
これはSuuntoのX9やX10のような腕時計型GPSにも共通する問題です。
Garminからは乾電池駆動のForetrex101という腕時計型GPSも販売されていますが、これはGPSレシーバーの性能が悪く、今となっては使い物になりません。
しかし、乾電池駆動で高感度GPSレシーバーを搭載した腕時計型(というには大きすぎますが・・・)のGPSが登場したので、思わず購入してしまいました。
手持ちのinvisibleSHIELD(液晶保護シート)の在庫を確認すると、Foretrexシリーズ用のがありました。このGPSを購入することを見事に予想していた過去の自分に感心しつつ、箱から取り出したForetrex401にinvisibleSHIELDを貼り付けました。
▲液晶ディスプレイの縁にうっすらと見える線は、液晶保護のために貼り付けたinvisibleSHIELDの輪郭です。
製品名:Foretrex 401
メーカー:GARMIN(アメリカ) サイズ:7.5 cm x 4.3 cm x 2.3 cm(カタログ値) 画面サイズと解像度:3.6 cm x 2.3 cm、解像度100 x 64ピクセル モノクロ2階調 PCインターフェイス:USB 重量:87g(ニッケル水素充電池、ストラップ含む)(実測値) 電源:単4電池x2本(アルカリまたはニッケル水素) 動作時間:17時間(カタログ値) 防水性能:IPX7 US定価:$249.99
操作用のボタンは液晶画面下の側面に集中して配置されているため、左手首に着けた状態だと右親指で簡単に操作できます。
ボタンの押し心地は快適ですし、この位置なら誤動作もありません。 ▲操作用のボタンはここに配置されている
乾電池駆動なので、山行途中で電池切れになっても電池を交換するだけで使い続けられます。
▲本体背面の電池収納部(電源は単4形x2本)
さて、このForetrex401ですが、ミリタリー風の外観を持っています。
実際、米兵が便利に使えるように(他の機種にもありますが)Jumpmaster機能(パラシュート降下用)があったり、位置座標をMGRS(Military Grid Reference System:戦争映画で位置を伝えるのに6桁や8桁の数字を無線機に向かって話しているシーンがありますが、あれのことです。)で表示出来たりします。
スポーツ用途を意識したForerunnerと、軍用を意識したForetrexでは、ストラップの固定方法も違います。以前のForerunnerでは腕時計と同様のバネ棒を使ってストラップにGPS本体を付けていましたが、Foretrex401ではネジに変わっています。
このようにしっかり固定されていれば、山行中にForetrex本体を木や岩にぶつけても、バネ棒が外れて本体を紛失する心配が無く、安心です。 ▲ストラップと本体の連結部分(矢印の先にプラスネジの頭が見えている) ▲ネジを受ける側にはナットが埋め込まれている
次に、各機能の画面を掲載します。
電源を入れて最初に表示されるのは、このマップページ。
地図は表示されず、ウェイポイントやルート、移動した軌跡が表示されます。 ▲マップページ(移動すると、画像のようにその軌跡が表示される)
pageボタンを押すと、コンパスページに切り替わります。
内蔵の電子コンパスで得られた方位が表示され、その左側には任意の項目(私の場合は自分が向いている方位と現在地の標高)を表示させることが出来ます。 ▲コンパスページ
pageボタンを押すと、次は標高グラフページに切り替わります。
移動したルートの標高の変化がグラフとして表示されます。特に使い道はありませんが、下山後に「こんなにアップダウンが激しかったのか」などと感慨にふけることは出来ます。 下の写真では移動した距離と標高の変化の割合を表すグラフ(X軸が距離、Y軸が標高)になっていますが、時間と標高の変化を表すグラフ(X軸が時間、Y軸が標高)への切り替えも可能です。 ▲標高グラフページ(標高が一定の場所にあったので、一直線のグラフになっている)
さらにpageボタンを押すと、今度はトリップコンピュータ画面になります。
この画面では、任意の項目を任意の場所に表示することが出来ます。(項目によっては、表示場所が限定されるものもあります) ▲トリップコンピュータページ
pageボタンを押すと、次はメニュー画面になります。このメニュー画面でpageボタンを押すと、マップページに戻ります。
▲メニュー画面
このメニュー画面から「GPS」を選ぶと、下のようにどの衛星からどの程度の強度で信号を受信しているかの表示が出ます。
▲補足している衛星の番号と信号強度を表示する画面
この画面でenterボタンを押すと、上空の衛星配置が分かる画面に切り替わります。
▲衛星配置を表示する画面
電源が入っている状態で電源ボタンを短く押すと、バックライトが点灯します。
▲バックライトはオレンジ色
地図が表示されないため役に立たないように見えるかも知れませんが、ウェイポイントやルートをあらかじめカシミールなどで作って転送しておけば、しっかり実用出来ます。
Garminのフリーソフト「Base Camp」を使うと、マウスのドラッグ操作でルートを描くことができるので、従来のMap Sourceやカシミール3Dのルート作成機能よりもずっと楽です。(ただし、ドラッグで複雑な曲線を描いても、作成するウェイポイントが少ないと最終的には直線的なルートになってしまいます。どの程度の頻度でウェイポイントを登録するかはユーザが設定できるので、多少の試行錯誤は必要かも知れません。)
また、トリップコンピュータ画面に座標を表示出来るので、緯線と経線を含めてカシミールなどから地形図を印刷しておけば、マップポインターとの組み合わせで現在地を調べるのも簡単です。
基本的に、私はトリップコンピュータ画面のままで使用しています。
時刻、標高、進んでいる方向が一つの画面で確認できるのは非常に便利(上に掲載したトリップコンピュータ画面の画像参照)。 腕時計だと、標高を見るときや方角を見るときに、いちいち画面を切り替える必要がありますから。
最後に、Oregon550との受信感度比較を掲載しておきます。尾根歩きのみのルートと、谷間と尾根の両方があるルートで比較しています。
その1は尾根歩きのみのルート(加西市の鎌倉山)。その2は谷間歩きのあるルート(宍粟市の笠ヶ城山)。
これらの軌跡と実際に自分で歩いたルートを比較すると、谷間ではForetrex401の方が、尾根上ではOregon550の方が正確にログを取ってくれるように思えます。
▲Oregon550とForetrex401の軌跡比較その1(クリックすると拡大表示されます)こちらはOregon550の方が実際のルートに近くなっています。 ▲Oregon550とForetrex401の軌跡比較その2(クリックすると拡大表示されます)こちらはForetrex401の方が実際のルートに近くなっています。 |
山スキーの人たちがよく使っています。
マップポインターを使うのですね。VENTURを使っていた頃を
思い出します。雨の時がとても面倒だったことや、雨や吹雪で
カバーから出した地図がぼろぼろになりながらマップポインターで
位置を確定するのはつらかった〜。
これで地形図が出るといいのにね。
2010/4/15(木) 午前 8:45 [ jn3lnw ]
じわじわ話題になってるヤマナビってどんな感じなんでしょうね。
http://www.navipota.com/yamanavi/index.html
感度は良いのかなぁ。安いんですが(^^;)
2010/4/15(木) 午後 8:50 [ jn3lnw ]
しみけんさん、こんばんわ。
これ格好いいですね! 欲しいと思いました。
crocodileっぽいカラーやオレンジのバックライトというのもいい感じです。トリップコンピュータページはホント重宝しますね!
以前Gekoを使用してましたが総レベルの低い自分には「道迷い」の不安があり、やはり地図無しはムリかと‥(-_-;)
2010/4/16(金) 午前 0:05 [ kk ]
jn3lnwさん、こんにちは。
地図はナイロン袋に入れて密封したり、最近は耐水紙に印刷しているのでボロボロにはなりませんが、風でパタパタとはためくような時は、マップポインターとの組み合わせは確かにつらいですね。
最近、NHKの番組でヤマナビを含めたGPS受信機がいくつか紹介されていたようです。Garmin製品は紹介されていなかったらしく、残念です。どう考えても、実用性はGarmin製品の方が上だと思うんですが、Garmin以外のメーカーには宣伝の上手な方がおられるのかな。
私はMTBにオレゴン550を取り付けて使ってますが、街中ではシティナビゲーター、山に入ると地形図に切り替えてます。オレゴンはちょっと高いですが、ずいぶん役に立っているので、買って良かったと思ってます。
2010/4/17(土) 午前 10:43 [ しみけん ]
kkさん、こんにちは。
Foretrex401は明らかに米兵をターゲットに作られた印象ですね。
私もGeckoを愛用していました。その次が地図表示のないGPS60、MAP60、Colorado、Oregon500、550と移り変わってます。
ForetrexはGeckoの操作体系そのままなので、Geckoの経験がある方なら、すぐに使いこなせますよ。
私のGeckoは、地図読みの練習パートナーでした。読図で位置をつかみ、Geckoの座標とマップポインターで答え合わせ。慣れてきたら、GPSは原則として使わず、「あれ?」と思ったときだけGPSで座標確認、間違えた原因を考える、という使い方をしていました。
2010/4/17(土) 午前 10:55 [ しみけん ]
購入前の参考になります。
2010/4/22(木) 午後 3:49 [ hir*5*17 ]
座標さえ分かれば良いという割り切った使い方なら、便利な道具です。
でも、あれもしたい、これもしたいという場合には、安物買いの銭失いになってしまうので、十分なご検討を。
2010/4/22(木) 午後 9:17 [ しみけん ]
しみけん様 こんにちは。 はじめまして。
GPSのズブの素人ですが、購入を考えておりますので、どの記事もとても参考にさせて頂いています。
私は使い方としては、まずサイクリング用に、慣れたら登山(低山)の際に、それぞれ主として現在地確認のために使いたいと思っています。
また紙の地図(25000分の1の地形図)の読み方の勉強に使いたいと思っています。
購入する機種としては予算から考えて「300の日本語仕様機」は無理なので550+「UUD製 日本詳細1:25000道路ナビ+トポ v2.0」を考えていますが、どの程度に使えるものか少し心配です。
しみけん様は”街中ではシティナビゲーター、山に入ると地形図に切り替えて”快適にお使いになっておられるとのことですが、これはどちらのメーカーの地図ソフトでしょうか?
UUD社のものでしょうか? それともDVDとマイクロSDカードの両方を販売しているメーカーのものでしょうか?
よろしくお願いします。
2010/4/23(金) 午後 1:57 [ ブルーソックス ]
ブルーソックスさん、こんばんは。
>これはどちらのメーカーの地図ソフトでしょうか?
シティナビゲーターはGarmin、地形図はTKAのものを使っています。
シティナビゲーターは地名が日本語フォントで収録されているので、Oregonで日本語表示が出来るように設定する必要があります。手順は、2010年1月31日の私の記事にコメントで説明してありますので、参考にしてみてください。
2010/4/23(金) 午後 10:34 [ しみけん ]
しみけん様 お返事ありがとうございました。
シティナビゲーターは日本語表示の問題をクリアーしないといけないのですね。良いご教示を頂きました。
とりあえず、550とTKAの地形図を購入して使い方を学習することにします。ありがとうございました。
2010/4/24(土) 午前 10:35 [ ブルーソックス ]
こんにちは。はじめまして。
この機種に大変興味があり、使用レポートを読ませてもらいました。現在101を使っていますがベルトとの取り付けがバネピンからネジに変ったのはありがたいです。
あと気になるのは電池室の防滴性ですが、どのようなものでしょうか。101はただのフタなので雨の時は浸水するおそれが高いので気をつかっています。
2010/5/30(日) 午後 7:17
inaodakeさん、はじめまして。
バネ棒からネジに変わったのは、やはり米兵からのフィードバックがあったからでしょうかね。
101の電池蓋をネットで検索して見てみましたが、401のそれと大して変わらないように見えます。
電池蓋奥のツメを本体の穴に入れ、蓋手前の穴を本体側のツメにはめて固定する構造です。
蓋は薄い箱、といった形状で、電池に覆い被さるような感じで、電池ボックス周囲のパッキンと蓋の縁が密着する構造になっています。
2010/5/30(日) 午後 8:35 [ しみけん ]
これはわざわざ調べて頂いてありがとうございました。
ザックを降ろす時に、ショルダーベルトが101本体に引っかかってバネ棒を飛ばして無くしたこともありました。
この電池のフタは単純なのでベルトを付けたまま電池交換ができるのはいいのですが、防滴性が気になりますね。
2010/5/30(日) 午後 9:11