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ご存じのようにバンクーバー五輪のアイスダンス金メダリスト、ヴァーチュー&モイア(カナダ)、銀メダリストのデイビス&ホワイト(米国)は、ともにズエワ&シュピルバンド(ロシア)の門下生。振り付けも2人が担当している。金・銀のメダリストがともに同じチームから出てきたことは、すごいが、もっとすごいのは、この2組がまったく違う個性を持ち、ともに素晴らしいプログラムを五輪の舞台で見せてくれたことだ。
ヴァーチュー&モイアがマーラーの「交響曲5番」で見せた、チョコレートがとろけるようなスケーティング。デイビス&ホワイトが「オペラ座の怪人」で見せた、超絶的な技術と情熱的な演技。スケーターの個性も力量もきちんと掴み、巧く音楽とマッチングさせ、見る人を圧倒させるプログラムを2組分、ズエワ&シュピルバンドは作り上げたのだ。
彼らはアイスダンスの新しいルールもよく勉強しており、ルールギリギリ、許される瀬戸際の技術をサプライズとともに見せ、高得点をマークする。新しい時代のプログラムの作り方を知っているし、彼らの指導技術をとことんまで体現できる素晴らしいスケーターにも恵まれた。その結果がバンクーバーでのワンツーフィニッシュだった。
現在、ズエワ&シュピルバンドの元には、多くの若いアイスダンサーが集っているというから、これからさらに優秀な選手たちが出てくるだろう。彼らの本拠地・デトロイトは、どちらかというと殺伐とした、田舎の工業都市だ。しかしズエワたちがやってきたことで、そんなデトロイトが今や北米のアイスダンスの一大拠点となってしまったのだから面白い。現在、彼らの他にもパスカーレ・カメレンゴ、アンジェリカ・クリロワ、佐藤有香、ジェイソン・ダンジェンといった優秀な振付師、指導者がこのリンクをホームとしている。
特にマリーナ・ズエワは、安藤美姫や中野友加里、小塚崇彦の振り付けなども手掛け、アイスダンスだけでなく男女の選手たちの信望も厚い。しかし元々ズエワは、88年カルガリー、94年リレハンメルと2度にわたって五輪チャンピオンとなったペア、ゴルデーワ&グリンコフの振り付けを担当して頭角を現した人だ。ペアやダンスといったカップル種目の振り付けにこそ、力量を発揮できる人かもしれない。これまでの男女の作品を見ると、ダンスに比べ少し単調な印象があるが、今後はどうだろうか? 今シーズンは久しぶりに小塚崇彦が、ズエワ振り付けのフリーを滑るというから、要注目である。(続く)
(2010年8月24日13時36分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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