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古株のタラソワやチャイコフスカヤ。現在、最も注目されているモロゾフやズエワ。彼ら、ロシアの振付師たちの特徴は、もれなく振付師だけでなくコーチもしている、という点である。ニコルやウィルソンがほとんど顔を見せないリンクサイドやキス&クライでも、彼らロシア人は常に選手に寄り添っている姿を見かけるだろう。コーチと振付師を兼ねることの利点は、常に選手とともに練習しているため、プログラムの手直しがしやすいこと。しかしコーチをする選手以外のスケーターの振り付けをすることも多く、オフシーズンは普通のコーチ以上に多忙である。
またロシア人の作るプログラムには、ちょっとした“秘密”があることも知っておきたい。かつて社会主義であったためだろうか、ロシアでは指導者の世界でも上下関係は厳しい。そのため、北米や西欧州で作られるプログラムのように、はっきりと振付師の名前を出さないことも多いのである。
例えば1988年カルガリー五輪アイスダンス金メダリストのナタリア・ベステミノワ、81年世界選手権男子シングル、銅メダリストのイゴールボブリン夫妻は、現在、彼らの名前がクレジットされることはほとんどないが、かなりのトップ選手のプログラムを手掛けていると聞いている。彼ら2人はスケート界だけでなく、ボブリンがメインとなり、ベステミノワがアシスタントとして、アイスショー、ボリショイ・オン・アイスのプロデュース、更にはパリの劇場のプロデュースなど、幅広いジャンルで活躍している。
しかし競技スケートに関しては、振付師として表に名前が出なくてもかまわない、との考え方なのだそうだ。個人主義ではなく、みんなでロシアのフィギュアスケートを盛り上げていこうという雰囲気があり、それだけに選手のバックアップも手厚く、深い。そのようにしてビッグネームの選手の陰に、高いセンスをもった裏方的振付師が何人も隠れている。
しかしそうしたロシア的雰囲気を嫌い、一度外に出たのがタチアナ・タラソワであり、ニコライ・モロゾフ。さらにエフゲニー・プラトフら、数多くのコーチや振付師が、ソ連崩壊後に米国やカナダに渡ったことはよく知られている。それが近年、2014年ソチ五輪に向けての自国選手強化を狙い、国が中心となって多くの指導者を呼びもどす動きも活発になった。経済的にも豊かになり、生活の安定を国に保証されるとなれば、振付師の多くも祖国に戻ってくる。それでもズウェア&シュピルバンド、エフゲニー・プラトフら、海外を拠点にし続ける指導者たちも多いのだが…。(続く)
(2010年8月31日13時12分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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