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スポーツ報知>コラム>城田憲子の「フィギュアの世界」

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エキシビション&ショー 魅せる為に、強くなるために(その1)

 夏のアイスショーシーズンを経て、もうすぐ本格シーズンインのフィギュアスケート。その前に、日本のアイスショーを支えてきた真壁喜久夫さん(株式会社CIC社長)と城田憲子(本紙評論家)の対談をお届けする。ドリーム・オン・アイス、メダリスト・オン・アイスといった日本代表エキシビションは、いかにして生まれたのか? 選手にとってアイスショーとは? フィギュアスケートの「競技」と「ショー」―。華やかさの舞台裏には、複雑で密接な関係がありました。

 ―日本代表選手たちの夏のエキシビション、ドリーム・オン・アイスは今年で開催7年目。ファンにもすっかりおなじみの存在になりましたが、スタート時から制作・総指揮を担当しているのが、真壁さんです。ドリーム・オン・アイス以前に、選手たちメーンのアイスショーというものは、あったのでしょうか?

 城田「かつて後楽園にスケートリンクがあったんですが、そこにペギー・フレミング(1968年グルノーブル五輪金メダリスト)らを呼んでのショー、などはありましたね。それが70年代。それから80年代になると、品川のリンクで選手たちの壮行会や引退セレモニー、デビューセレモニーも兼ねたエキシビションをしていました。五十嵐君(五十嵐文男)や小川勝君、さらには有香ちゃん(佐藤有香)、ジュンジュン(八木沼純子)たちが出ていて、彼女はまだまだ小さかった時代です。もとは品川のリンクのフィギュアスケートクラブの壮行会だったものが、日本代表のエキシビションになり、その当時は毎年やっていたんですよ。本格的なアイスショーではなくて、あくまでエキシビション。チケットなんて手作りで、印刷も私たちがしていましたし、選手のママたちが会場で花束を売ったり、選手のパパが照明を担当したりも…。でもそのうち、品川のリンクがなくなってしまって」

 ―そんななか、真壁さんの手がけるアイスショーは、01年にスタートしていますね

 真壁「そう、フィリップ・キャンデロロをメインにした『キャンデロロ ジャパンツアー 2001』。当時のパンフレットを見てみましょうか…。キャンデロロにペトレンコ、ペアやダンスのチャンピオンたちが揃ってるから、日本人選手は名前だけ。写真も載ってません(笑)。今だったら考えられないでしょう?」

 城田「そうそう、静香ちゃん(荒川静香)、章枝ちゃん(村主章枝)、美栄ちゃん(恩田美栄)と、当時のシニア選手、みんな出してもらったんです。私たち、スケート連盟の強化部が頼んだんですよ。とにかく当時の日本選手は、本番に弱かったから。海外の選手たち―とりわけ強い米国選手たちなどはどうしていたかというと、試合のないシーズンはショーに出ていたんですね。そのころの米国は、本当にアイスショーが盛んだったから、そこで滑れば自分が本番でどれだけジャンプを跳べるか、どれだけの演技ができるのか、さらにお客さんの反応はどうか、なども知ることができた。欧米の選手たちは、シーズンオフからショーを使って巧く調整ができていたんです。ところが日本は、シーズンオフはシーズンオフの練習をして、そのまま試合に出ていたから…これは私たちだって、エキシビションを使って選手たちを強くしていかなきゃ、という話になったんです」

 真壁「その最初のショーは、大赤字だったわけですが(笑)。でも事を起こす大変さを越えた2回目は、海外選手の招へいも、ショーの宣伝も余裕を持ってできました。そして02年開催時に出演した日本人選手が、この2人です」

 ―高橋大輔と、浅田真央! 今年のオリンピックメダリストふたりが、8年前のアイスショーに出ていたわけですね。まだ高橋選手はジュニア、浅田選手はノービスのころ

 真壁「実はこの年はちょっと都合があって、ショーの開催が11月にずれ込んだんです。もうシーズン真っただ中だから、当然シニアの選手を出すのは無理だ、と。じゃあ日本からは誰を出すの? となった時、城田さんが連れてきたのがこの2人なんです」

 城田「この頃の真央ちゃんは、試合で転んでばかりいたから(笑)。とにかくショーに出て慣れさせて、本番で転ばない選手にしないといけなかった。まだ小学生で労働基準法に引っかかるから、出演時間は夜の9時より前でお願いします、って真壁さんに言ったことを覚えてます(笑)。だから真央ちゃんは、夜のショーではフィナーレは出られなかったの」

 真壁「まさにこの年、02年11月のアイスショーから、タイトルを『ファンタジー・オン・アイス』としたんです」(続く)

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(2010年9月28日15時42分  スポーツ報知)

著者略歴 城田 憲子(しろた・のりこ)

 1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。

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