日常生活では左手のギプスが取れ、笑顔でファンサービスするダニルソン=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
|
![写真](/contents/047/604/921.mime4) |
名古屋グランパスのMFダニルソン(24)が、古巣・札幌と対戦する天皇杯3回戦(瑞穂陸)を欠場することが6日、濃厚となった。2日の仙台戦で痛めた右足の回復が思わしくなく、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで行われた全体練習には参加せず、室内での治療とリハビリに専念した。
ファンサービスを終え、クラブハウスを出たダニルソンから笑顔は消えていた。「監督が決めることだが、札幌戦は無理かもしれない」。骨折した左手のギプスが取れ、日常生活では保護具も必要なくなった途端、アクシデントが襲った。
2日の仙台戦で、右足をひねった状態で相手選手に乗りかかられた。右足側部のねんざだった。5日から2日間連続で室内調整。ストイコビッチ監督に「天皇杯も大事だが完治させることが大事だ」と、助言を受けた。
先月5日に、天皇杯2回戦で中京大に勝ち、札幌との対決が決定した。ダニルソンは、「J1で経験を積んだ自分を見せる大きなチャンス」と、心待ちにしていた。ただ、出場機会が少なかったシーズン当初と、W杯による中断後、J1首位を走るチームの躍進を、攻守で支えている今とでは、自分の立場が違うことも十分理解している。
MF中村は、「古巣戦に出たいと思うが、けがの回復を考えた方がいい」と、ダニルソンを思いやった。その上で、「天皇杯は代わりに出る選手がしっかりプレーしないといけない大会。若い選手が出たら、力を発揮しやすいような雰囲気をつくりたい」と、盛り上げ役を買って出た。ダニルソンと同じアンカー(中盤の底)のポジションでプレーしているMF福島は、「準備はできています」と、力を込めた。
ストイコビッチ監督は、「状態の悪い選手よりも、元気な新しい選手を起用したい」と話した。8月28日の京都戦後に、「2人どころか2人半分」と、その働きを評価したダニルソンに、リスクを冒させたくない。チームドクターによると、無理は避けた方がいいが、重傷ではないという。
「札幌戦は本当にプレーしたいが、100%に戻す」。次回のJ1は17日の新潟戦。ダニルソンは、古巣戦出場への未練を断ち切り、悲願の優勝へ前進しているJ1の再開を、万全の状態で迎えることを優先する。 (伊東朋子)
この記事を印刷する