大人の食学(たべがく)
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2010/10/7掲載

TEPORE アンケート 大人の食学(たべがく)
テーマイメージ お酢の活用
和食における基本の調味料と言われる「さしすせそ」。砂糖、塩に次いで3番目に挙がっているのが「お酢」です(お酢の次はしょう油、最後がみそ)。このようにお酢は日本人の食に欠かせない調味料ですが、最近では、お酢の持つ健康効果に改めて注目が集まっているようで、黒酢や果実酢などを飲むことを習慣にされている方も増えているとか。そこで今回のアンケートでは、TEPORE会員の皆さまがご家庭でお酢をどのように使われているのか、また、お酢にどういった働きを期待されているのかなどを調査してみました。さらに、お酢を上手に料理に活かす使い方や、お酢の健康効果についてもご紹介します。
調査概要
調査方法 インターネットリサーチ
調査期間

2010年9月16日(木)〜9月20日(月)

対象者 TEPORE会員
有効回答者数 58,444人(男性33,693人 女性24,751人)
今回の「大人の食学〜お酢の活用〜」に関する調査では、2010年9月16日(木)〜9月20日(月)の間に、58,444人の方から回答をいただきました。
Q1 あなたは、お酢そのものや、お酢を使った料理・飲料はお好きですか?
1位
わりと好き 47.9%
2位
大好き 22.0%
3位
どちらともいえない 14.5%
4位
少し苦手 11.2%
5位
苦手 4.3%
(回答者数=58,444人)
男女別ランキング 男性
1位
わりと好き 47.0%
2位
大好き 18.8%
3位
どちらともいえない 16.3%
4位
少し苦手 12.7%
5位
苦手 5.1%
(回答数=33,693人)
女性
1位
わりと好き 49.1%
2位
大好き 26.4%
3位
どちらともいえない 12.0%
4位
少し苦手 9.2%
5位
苦手 3.2%
(回答数=24,751人)

年代別ランキング 《29歳以下》 《30〜39歳以下》
1位
わりと好き 42.0%
2位
どちらともいえない 18.6%
3位
大好き 17.0%
4位
少し苦手 15.7%
5位
苦手 6.6%
(回答数=2,649人)
1位
わりと好き 46.6%
2位
大好き 19.8%
3位
どちらともいえない 15.9%
4位
少し苦手 12.3%
5位
苦手 5.3%
(回答数=12,373人)
《40〜49歳以下》 《50〜59歳以下》
1位
わりと好き 47.3%
2位
大好き 19.7%
3位
どちらともいえない 15.9%
4位
少し苦手 12.1%
5位
苦手 4.9%
(回答数=18,373人)
1位
わりと好き 50.3%
2位
大好き 21.0%
3位
どちらともいえない 14.0%
4位
少し苦手 10.7%
5位
苦手 3.7%
(回答数=13,719人)
《60〜69歳以下》 《70歳以上》
1位
わりと好き 49.0%
2位
大好き 29.5%
3位
どちらともいえない 10.4%
4位
少し苦手 8.7%
5位
苦手 2.2%
(回答数=8,664人)
1位
わりと好き 47.4%
2位
大好き 33.9%
3位
どちらともいえない 9.6%
4位
少し苦手 6.6%
5位
苦手 2.3%
(回答数=2,666人)

解説
お酢やお酢を使った料理・飲料などは、「わりと好き」(47.9%)が1位、「大好き」(22.0%)が2位でした。合わせると、7割近くの方がお酢やお酢を使った料理・飲料などをお好きなようです。
男女別では、男性よりも女性のほうが、お酢を「わりと好き」「大好き」という方が多く見られました。
また、年代別に見ると、29歳以下の方だけが2位に「どちらともいえない」(18.6%)がランクインしています。その一方で、70歳以上の方では「わりと好き」「大好き」と答えた方を合わせると8割を超え、年代が上がるほどにお酢をお好きな方が多くなる傾向がうかがえました。
他にもこんなご意見がありました
  • お酢を使った料理は好きだが、お酢を飲むのは苦手 (40代・女性)
  • 関西味は好きだが、関東風酢の物は苦手など、料理法や酢の種類そのものに好き嫌いがある (50代・女性)
Q2 あなたのご自宅に常備されているお酢の種類(醸造酢のみ)を教えてください。
1位
米酢(米を主な原料としたお酢) 53.4%
2位
穀物酢(小麦やとうもろこしなどの穀物を主な原料としたお酢) 49.6%
3位
黒酢(糠を取っていない米や大麦を原料とした褐色または黒褐色のお酢) 22.8%
4位
りんご酢(りんご果汁を原料とした果実酢) 16.2%
5位
バルサミコ酢(ぶどうの濃縮果汁を原料に長期熟成させた果実酢) 15.3%
6位
ワインビネガー(ぶどう果汁を原料とした果実酢) 10.6%
7位
お酢はあるが種類はわからない 10.5%
8位
自宅にお酢はない 4.5%
9位
粕酢(かすず=酒粕を熟成させて原料としたお酢) 0.7%
(回答者数=58,444人)※複数回答

  
「穀物酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
北海道 61.1%
2位
東北 59.1%
3位
甲信越 54.9%
4位
山陰 52.3%
5位
九州 50.9%
(回答数=28,982人)※複数回答
「米酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
近畿 61.9%
2位
山陽 59.0%
3位
四国 56.3%
4位
北陸 56.2%
5位
山陰 55.0%
(回答数=31,217人)※複数回答
「粕酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
沖縄 1.3%
2位
北陸 1.1%
2位
甲信越 1.1%
4位
四国 1.0%
5位
山陰 0.9%
(回答数=419人)※複数回答
「黒酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
九州 24.9%
2位
沖縄 23.9%
3位
関東 23.8%
4位
甲信越 23.3%
5位
北海道 21.8%
(回答数=13,306人)※複数回答
「りんご酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
沖縄 26.5%
2位
北海道 19.8%
3位
九州 19.0%
4位
甲信越 18.5%
4位
東北 18.5%
(回答数=9,444人)※複数回答
「ワインビネガーを常備している」という方の地域別ランキング
1位
関東 11.9%
2位
近畿 9.9%
3位
甲信越 9.8%
4位
北海道 9.6%
5位
九州 8.6%
(回答数=6,220人)※複数回答
「バルサミコ酢を常備している」という方の地域別ランキング
1位
関東 17.7%
2位
甲信越 13.0%
3位
近畿 12.7%
4位
北海道 12.5%
5位
九州 11.9%
(回答数=8,920人)※複数回答

解説
お酢の活用イメージ 家庭に常備しているお酢(醸造酢)の種類では、「米酢」(53.4%)が1位、「穀物酢」(49.6%)が2位でした。TEPORE会員の皆さまは、調理用として使いやすいこの2つが、定番の食酢として多く選ばれているようです。
ただ、地域別に見てみると、「穀物酢」は北海道から九州まで幅広い地域で定番となっているようですが、「米酢」は西日本を中心に、米の産地として知られる北陸地方などで人気が高いようです。また、「粕酢」「りんご酢」では沖縄が1位、「黒酢」では沖縄が2位という結果で、沖縄では「穀物酢」や「米酢」よりもこうしたお酢が親しまれているようです。ちなみに、沖縄の特産である「もろみ酢」は、泡盛を造る過程で取れるもろみを原料としたもので酢酸発酵をしておらず、JASの基準では食酢に分類されませんが、クエン酸が豊富に含まれることから人気を集めています。
その他の意見では、健康食品としても人気を集めている「香醋(こうず)」や、「柿酢」「きび酢」などのさまざまな果実や穀物を原料としたお酢が挙げられていました。
他にもこんなご意見がありました
  • 香醋(もち米などを原料として熟成させた中国のお酢) (50代・女性)
  • 柿酢 (60代・男性)
  • きび酢 (50代・女性)
  • 紅芋酢 (70歳以上・男性)
  • 梨酢 (30代・女性)
  • トマト酢 (30代・男性)
  • 玄米酢 (50代・女性)
Q3 あなたが、お酢に期待する効果はどのようなことですか?
1位
疲労回復にプラスになる 43.0%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる 29.8%
3位
料理の風味や香りを引き立てる 21.4%
4位
防腐作用や静菌(細菌の発育や増殖を抑制する)作用 20.8%
5位
料理の味を調え、おいしくする 20.0%
6位
食欲を増進させる 17.9%
7位
料理の脂っこさをやわらげる 16.1%
8位
血圧を下げることにつながる 15.7%
9位
減塩につながる 15.4%
10位
具体的な効果はわからないが健康的になる 9.0%
11位
ダイエットに役立つ 8.3%
12位
カルシウムを吸収しやすくする 4.1%
13位
心身をリフレッシュする 4.0%
14位
素材の臭みを消す 3.7%
15位
素材の色止め・色出しに役立つ 1.6%
(回答者数=58,444人)※複数回答

年代別ランキング 《29歳以下》 《30〜39歳以下》
1位
疲労回復にプラスになる 39.2%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
29.4%
3位
料理の味を調え、おいしくする
18.8%
4位
料理の風味や香りを引き立てる
17.0%
5位
料理の脂っこさをやわらげる 15.4%
6位
ダイエットに役立つ 13.8%
7位
防腐作用や静菌作用 13.7%
8位
食欲を増進させる 12.7%
9位
減塩につながる 9.2%
10位
血圧を下げることにつながる 8.3%
(回答数=2,649人)※複数回答
1位
疲労回復にプラスになる 44.5%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
31.4%
3位
料理の風味や香りを引き立てる
18.1%
4位
料理の味を調え、おいしくする
17.8%
5位
防腐作用や静菌作用 17.6%
6位
料理の脂っこさをやわらげる 17.3%
7位
食欲を増進させる 13.5%
8位
ダイエットに役立つ 10.8%
9位
減塩につながる 10.4%
10位
血圧を下げることにつながる 10.1%
(回答数=12,373人)※複数回答
《40〜49歳以下》 《50〜59歳以下》
1位
疲労回復にプラスになる 45.1%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
29.5%
3位
防腐作用や静菌作用 19.3%
4位
料理の風味や香りを引き立てる
18.4%
4位
料理の味を調え、おいしくする
18.4%
6位
食欲を増進させる 16.3%
7位
料理の脂っこさをやわらげる 15.6%
8位
血圧を下げることにつながる 14.0%
9位
減塩につながる 12.4%
10位
ダイエットに役立つ 9.4%
(回答数=18,373人)※複数回答
1位
疲労回復にプラスになる 43.4%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
30.0%
3位
料理の風味や香りを引き立てる
22.3%
4位
防腐作用や静菌作用 22.0%
5位
料理の味を調え、おいしくする
20.1%
6位
食欲を増進させる 19.9%
7位
血圧を下げることにつながる 19.2%
8位
減塩につながる 17.0%
9位
料理の脂っこさをやわらげる 16.6%
10位
具体的な効果はわからないが
健康的になる 9.6%
(回答数=13,719人)※複数回答
《60〜69歳以下》 《70歳以上》
1位
疲労回復にプラスになる 38.1%
2位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
29.5%
3位
料理の風味や香りを引き立てる
28.5%
4位
防腐作用や静菌作用 26.2%
5位
料理の味を調え、おいしくする
24.4%
6位
食欲を増進させる 23.5%
7位
減塩につながる 23.2%
8位
血圧を下げることにつながる 21.6%
9位
料理の脂っこさをやわらげる 16.2%
10位
具体的な効果はわからないが
健康的になる 11.4%
(回答数=8,664人)※複数回答
1位
疲労回復にプラスになる 39.5%
2位
料理の風味や香りを引き立てる
33.8%
3位
減塩につながる 32.0%
4位
防腐作用や静菌作用 29.9%
5位
料理の味を調え、おいしくする
28.1%
6位
食欲を増進させる 26.5%
7位
酸味を加え、料理をさっぱりさせる
24.3%
8位
血圧を下げることにつながる 22.5%
9位
料理の脂っこさをやわらげる 11.7%
10位
具体的な効果はわからないが
健康的になる 10.6%
(回答数=2,666人)※複数回答

解説
お酢の活用イメージ お酢に期待する効果の1位は「疲労回復にプラスになる」(43.0%)でした。男女別、年代別でもこの1位は変わらず、多くの方が、疲労回復効果を期待してお酢を使われていることがわかりました。また、2位「酸味を加え、料理をさっぱりさせる」(29.8%)、3位「料理の風味や香りを引き立てる」(21.4%)と、調味料としてのお酢の効果に期待した回答が2位・3位に上がっていました。
年代別では、若い方は調味料としての効果が上位にランクインしているのに対して、年代が上の方になると、「減塩につながる」や「血圧を下げることにつながる」など健康へのプラス効果に期待が寄せられていました。特に50代以上の方では、「具体的な効果はわからないが健康的になる」が10位にランクインしていて、漠然とながら「お酢は体に良い」という印象を持たれている方が少なからずいらっしゃることがうかがえます。
他にもこんなご意見がありました
  • お肉をやわらかくして、手羽元の軟骨まで食べられること (30代・女性)
  • お酒の悪酔いをしないようにする (60代・男性)
  • 血液サラサラ効果への期待 (50代・女性)
  • 無農薬の野菜を洗う際に使用する (30代・女性)
  • 発泡作用。重曹を使用した蒸しパンなどを作るとき (40代・女性)
Q4 お酢を使った、あなたのご家庭でのとっておきレシピや、お酢の意外な活用法、
お酢にまつわるエピソードなどがあれば教えてください。
◆お酢を使った、とっておきレシピ
◆お酢を使った、とっておきレシピ
  • インスタントラーメン(しょう油味)に、大さじ2〜3杯のお酢と豆板醤、ラー油、しいたけを入れて、卵とじにすれば「酢辣湯麺(サンラータン)」 (30代・男性)
  • サンマのおいしい季節ですが、刺身用が手に入るときは、あらかじめ塩でしめておき、その後、昆布とお酢だけで半日ほど漬け込むだけです。あっさり、しっとりとおいしい「しめサンマ」のできあがり! (40代・女性)
  • 常備菜として作ってある「野菜の酢漬け」です。セロリ・にんじん・きゅうり・山芋・うずらの卵・ベビーコーンなどを、コンソメ・酢・砂糖・塩・ローリエ・唐辛子を沸かしたものに漬けます。 そのままつまんだり、薄切り肉で包んで焼いたり、小麦粉をつけてソテーした魚に「酢汁」をからませてソースにしたりしています (50代・女性)
  • 豚バラブロックに塩をすり付けて1時間ほど寝かし、その後、お湯と米酢を半々くらいに混ぜた汁でゆでます。ゆで上がったら5mmくらいに切り分けて、しょうがじょう油かわさびじょう油でいただきます。結構さっぱりしていて、うまいですよ (50代・男性)
  • 鶏手羽と卵を酢でやわらかく煮た料理が大好きです。そのとき余った煮汁を少し薄めて、ざるラーメンのつけ汁にすると、とてもおいしいです(*^_^*) (30代・女性)
◆お酢を使った、わが家のひと工夫
◆お酢を使った、わが家のひと工夫
  • ポテトサラダを作るとき、ジャガイモをつぶしたあとで、酢をかけておく。マヨネーズの量が減らせて、ヘルシー (50代・女性)
  • 炊飯する前に、米2合に対して大さじ1杯の酢を入れる。お弁当に入れるご飯として殺菌効果があり、味は白米と変わらず、照りが出ておいしい (40代・女性)
  • チョコレートケーキやパンケーキなどを焼くときに、必ずお酢を加える(しっとり、ふっくら仕上がるので) (30代・女性)
  • 私は秋田の住人ですが、秋田では「しょっつる」を使った鍋料理(貝焼き料理:かやき)があります。日本のアンチョビが「しょっつる」ですが、匂いがすごくきついです。その臭みを取るためにお酢を使っています。お酢の効果は素材の臭みとりに抜群、最高です (50代・男性)
◆お酢の意外な活用法
◆お酢の意外な活用法
  • 鍋の焦げ付きに活用。煮物を作って、しょう油などが鍋にこびりついたら、なるべく熱いうちに水とお酢を入れて沸騰させ、火を止める。そうすると、あまりこすらずに焦げ付きなどが取れる。わが家の鍋は、おかげでピカピカです (50代・女性)
  • 愛犬が子犬のころ、吠え癖がなかなか直らなかったので、犬のしつけ本を参考に、お酢を10倍に希釈した液をスプレーボトルに入れて、ワンワン吠え出すと空中にシュッとしていた。犬は嗅覚がすぐれているので、お酢の匂いにビックリして吠えるのをやめるから。家の中が少しお酢臭くなるのがネックだったけど、効果はあった (40代・女性)
  • シールなどをはがすときに、よくお酢を使います。プラスチック製品など、傷がつきやすいものには重宝します (30代・女性)
  • 夫が、お酒をたくさん飲んで帰宅したら、寝る前にお酢をひと口飲ませています。翌日の二日酔いがかなり解消されるらしく、飲むと飲まないのとでは、朝食の箸の進み具合が全然違います (40代・女性)
  • 果物などの変色を防止したいときに、お酢をかける。また、夜は、のどの渇きを防止するために、茶碗一杯のお湯にお酢を数滴たらして、寝しなに飲んでいます。これで夜中に起きることなく、ぐっすり眠れます (60代・男性)
◆お酢にまつわるエピソード
◆お酢にまつわるエピソード
  • 旦那に初めて作った料理が、ナスの甘酢炒めでした。何回もレシピを読んで復習して、結果、大成功の大絶賛!無事に結婚までこぎつけました(笑) (29歳以下・女性)
  • 子どものことでイライラしながら、手羽先をフライパンで焼いていました。最後にみりんを入れるつもりが、イライラのせいで間違えてお酢をドボドボと投入!あっと思ったときはもう遅かった、が…これがさっぱりとしていて、おいしい!!その後、お酢のCMでこの料理を見ました。わが家では、お酢をそんなふうに使ったことはなかったが、災い転じて…今では定番料理です (40代・女性)
  • 仕事人間だった母は、料理がまったくダメ。唯一作るのは、自分の好きなきゅうりの酢の物くらい。それは、お酢と砂糖を混ぜただけの甘酸っぱい酢の物だったが、母は毎日、自分のお弁当に入れていた。今思うと、健康的なお弁当といえなくもないが…。母は本当に酢の物が好きだったんだなぁと、不思議にあの味が懐かしくなるときがある (40代・女性)
  • 妊娠していたときに、甘酢炒めを作って、自分ではとってもおいしく作れたと思っていたのですが、まわりの人たちからは「酸っぱくて食べられない」と怒られたことがありました。「妊婦は酸っぱいものを好む」と言われていましたが、自分では思いもかけないことだったので、面食らってしまいました (50代・女性)
  • 進学のために18歳で実家を離れ、すでに60年が過ぎてしまったが、いまだに懐かしいのは、実家の母のお酢を使った手料理である。そのひとつに、青しそが出回る初夏によく作っていた、小アジの姿寿司がある。小アジを頭ごと開いて昆布酢でしめ、俵結びほどの大きさの酢飯にその小アジを乗せて、酢飯の下側には青しそを敷いたお寿司。都会では味わえない、九州の実家のさわやかな初夏の母の味である (70歳以上・女性)
<スペシャル・トーク>「お酢の上手な活用法」について、お酢のメーカーの方にお話をうかがいました!
「お酢の上手な活用法」について、お酢のメーカーの方にお話をうかがいました!


村重 祐介さん 創業は、江戸時代の1804年。以来、徹底した品質管理にこだわり、さまざまな食酢の製造・販売を行ってきた食品メーカー「ミツカン」で、広報を担当されている村重祐介さんに「お酢の上手な活用法」についてのお話をうかがいました。

村重 祐介さん
株式会社ミツカン 事業戦略部


◆ひと口に「お酢」と言ってもいろいろな種類がありますが、主なものの特徴について教えてください。
元来、お酢は穀物や果汁などを原料としたお酒を酢酸発酵させて造られるもので、基本的に、お酒の原料となるものすべてから造ることができます。例えば、穀類を原料とした「穀物酢」や「米酢」、果実を原料とした「りんご酢」や「ワインビネガー」などが一般的です。
「穀物酢」は、スッキリとした酸味が特徴で、煮物や炒め物など料理全般に合い、価格も手ごろなので、調理用にはぴったりのお酢です。「米酢」は、まろやかな味が特徴で、寿司などによく合いますし、「黒酢」は、独特の旨みとコクのある味わいで、中華料理の酢豚などに使っても味に深みが出ておいしいですよ。また、「りんご酢」などの果実酢は、アレンジしてドレッシングやドリンクにすると良いでしょう。その他に、外国にも「バルサミコ酢」や「ホワイトビネガー」など独特のお酢文化がありますので、料理に合わせて使い分けてみると良いのではないでしょうか。

◆アンケートでは、さまざまなお酢の効果に期待が寄せられていましたが、特に調理で使うお酢には、どういった効果があるのでしょうか?
例えば、鶏の手羽元の煮物にお酢を使った場合、素材をやわらかくして骨の肉離れが良くなったり、油の粒子を細かく分散させてさっぱり食べることができたり、といった効果が得られます。骨からのカルシウムの溶出も多くなるので、カルシウムの摂取にも役立つでしょう。他にも、傷みやすいサバなどの生魚に使えば、臭み消しや防腐・静菌の効果が得られますし、素材の下ごしらえでは、みょうがの発色を良くしたり、レンコンをアク抜きして白く仕上げたり、里いものぬめりを落としたりといった効果もあります。お酢は幅広く調理に活躍する存在と言えます。また、減塩を意識して塩分を控えめに調理した場合でも、お酢を加えることで味にアクセントが出て、おいしくいただけるといったことも期待できるでしょう。

◆お酢をそのまま飲まれる方も増えていますが、おいしく飲むための工夫などはありますか?
当社では、お酢を飲用される場合には、まれにのどや胃が荒れてしまう方もいらっしゃいますので、まず5〜6倍に薄めることをおすすめしています。その上で、例えば、お好みでハチミツなどを入れていただければより飲みやすくなりますし、牛乳を加えると飲むヨーグルトのようになるので、お子さまでも抵抗なく飲んでいただけるのではないでしょうか。その他、サワードリンクにする飲み方もあります。サワードリンクは、お酢とお好みの果物と氷砂糖を2:2:1の割合で1週間ほど漬け込んだ原液を、水や炭酸水で5〜6倍ほどに割ればできあがりです。さっぱりとして飲みやすく、おいしいですよ。ブルーベリーやオレンジ、旬の果物など、果物なら、ほとんど何と合わせてもおいしいので、ぜひ一度お試しください。

◆お酢は体に良いと言われますが、どのような健康効果があるのでしょうか?
当社の研究結果として、お酢には「肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる」「高めの血圧を低下させる」「高めの血中脂質を低下させる」「食後の血糖値上昇を穏やかにする」、「カルシウムの吸収を促進する」「疲労回復のお手伝いをする」の6つの健康効果が認められています。お酢の主成分である酢酸にこうした働きがあり、目安として1日大さじ1杯(約15ml)のお酢を食事などで摂り続けていただくと、このような効果が期待できると考えられます。アンケートで皆さんが期待する効果として挙げられていた「疲労回復のお手伝い」という点では、お酢を糖分と一緒に摂ると、消耗したグリコーゲンの再補充が促進されることで疲労回復につながるため、先ほどご紹介したサワードリンクのように、お酢に砂糖やハチミツなどを加えたものを飲むと効果的でしょう。

◆最後にTEPORE会員の皆さまにメッセージをお願いします。
昔から「お酢は体に良い」というイメージがありましたが、最近ではさまざまなお酢の健康効果が、実証されています。また、最近では、すし酢のように甘みやだしの効いた調味酢を酢の物や煮物に使ったり、料理にかけて食べたりするスタイルも浸透してきました。お酢の主成分である酢酸は熱に強く、通常の加熱調理ならば、ほとんどの効果は損なわれません。ほんの大さじ一杯加えるだけで、料理をおいしくしてくれて、健康にもつながる効果が期待できるお酢を、ぜひいろいろな料理で使ってみていただけたらと思います。

ミツカン
http://www.mizkan.co.jp/


今回の「大人の食学 〜お酢の活用〜」についてのアンケート結果は、いかがでしたか?
今回の「大人の食学 〜お酢の活用〜」についてのアンケート結果は、いかがでしたか?
調味料として、また健康面でもプラス効果が期待できるお酢は、使い方を工夫することで、さらにいろいろな場面で活躍してくれる調味料であることがわかりました。TEPORE会員の皆さまは、お酢がお好きな方が多くいらっしゃるようですが、中にはお酢を使った料理が少し苦手だったり、使い方がわからなかったり、という方もいらっしゃるようでした。毎日の食事をおいしくいただきながら健康に過ごすために、今回のアンケートを参考にして、お酢を積極的に摂ってみてはいかがでしょうか?

次回のTEPOREアンケートは、「音楽を聴いていますか?」についてのアンケート結果を発表します。お楽しみに!

ご意見・ご感想

あなたの声を聞かせてください


※リサーチ結果の転載、引用、お問合せにつきましては、こちらよりご連絡ください。
次回予告