ニュース特報

2010年10月05日号

【陸山会規正法違反事件】
東京第五検察審査会が2回目の議決、小沢氏は強制起訴に、本紙「本紙の主張が認められた感じ、我が意を得た思い。「『数は力なり』の『小沢支配体制』は沈んだ」とコメント


●小沢氏は裁きの庭に
 東京第5検察審査会は4日、資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、04〜05年分の政治資金規正法違反容疑で告発され、東京地検特捜部が不起訴とした民主党の小沢一郎元幹事長(68)について「関与を強くうかがわせる」として強制起訴すべきだとの議決を公表した。9月14日付。
 第5検審の議決は「起訴相当」とした4月以来2回目。東京地裁指定の検察官役の弁護士が規正法違反罪で起訴する手続きに入る。自民党で「数は力なり」「金は力なり」の「田中金権支配体制」が「竹下派支配体制」として受け継がれ、この系譜が民主党におい小沢氏によって力を維持されてきた。この体制が検察審査会(市民)によって党内最大グループを率いる小沢氏の求心力低下は必至の状況だ。
 昨年5月の改正検察審査会法施行後、11人中8人以上の賛成が必要となる起訴議決は、兵庫県明石市の花火大会事故、尼崎JR脱線事故などに続き4例目。
 小沢氏は1月以降、4回にわたって特捜部の事情聴取を受けたが、一貫して事件への関与を否定。規正法違反の罪で2月に起訴された衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の供述を、審査会がどう判断するかが焦点だった。
 この日公表の議決は「検察の再捜査は形式的な取り調べの域を出ておらず、十分とは言い難い」と指摘。とりわけ石川氏が報告、了承を得たとの供述内容については「信用性を消極的に評価することはできない」とし「検察官が不起訴処分としたことに疑問がある」と結論付けた。
 議決があった9月14日は民主党代表選の開票日、小沢氏が菅氏に敗れた日であった。

●本紙のコメント
「昭和47年7月の角福戦争(自民党総裁公選における田中角栄VS福田赳夫の争い)
 以来、福田の第5列として田中金権政治反対を主張してきた私としては我が意を得る思いである。大阪地検の検事たちの思い上がりによって検察の威信は地に落ちているが、思い上がり検事が出るまでは曲がりなりにも東京地検特捜部は社会のリーダーの役割を果たしてきた。田中は東京地検特捜部によって闇将軍に、竹下も東京地検特捜部によって表舞台から引くことになった。金丸は引退に追い込まれた。今、特捜に代わる検察審査会によって小沢氏が表舞台では当分静かにする流れとなった。推定無罪を主張する政治家がいるが、「有罪の判決が出るまで無罪というのはどの法律のどこに書いてあるのか」「小沢氏のような大物政治家は無罪という判決が出るまでは無罪でない」と訂正すべきだ。社会の認識が変わっているのに法律の世界だけは変わらないというのはおかしい。検察審査会制度は国家が国民に保障している制度である。それを軽視する法律家、特にヤメ検は特権意識の持ちすぎと感じる。それが後輩たちの思い上がりを生んでいるのだ。ヤメ検もビジネスでやっているにすぎないではないか。もう公訴権を検察が独占する時代は終わったことを認識すべきである」

戻る