中国江西省遂川県の農村に突然、現れた金属体を不思議そうに見つめる地元住民。中国が1日に四川省の西昌衛星発射センターから月探査衛星「嫦娥(じょうが)2号」を打ち上げた際、衛星を搭載したロケット「長征3号C」の整流カバーの一部が落下したものという。
3日付の中国各紙によると、発射から約11分後、同県内の2カ所に落下した。落下時には巨大な音が響き、周囲数キロで揺れが感じられた。幸運なことに落下した2カ所はいずれも農地で、人的な被害はなかった。
同県では今年6月以降、衛星打ち上げに伴う残骸(ざんがい)の落下が相次ぎ、今回で3回目。中国初の月探査衛星「嫦娥1号」を打ち上げた07年10月には、死傷者は出なかったものの、残骸が貴州省福泉市の民家を直撃したという。【北京・成沢健一】
毎日新聞 2010年10月7日 10時32分(最終更新 10月7日 11時03分)