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海外メーカーの“脱常識”白物家電が本格上陸! 超大型洗濯機、スリム冷凍庫…

10月5日(火)11時39分配信 nikkei TRENDYnet

大型のドラム式洗濯乾燥機を投入するハイアールや、デザイン性の高いクリーナーを展開するエレクトロラックスをはじめ、ティファールやデロンギなど、注目の海外家電メーカーの動向を新製品から探る。
大型のドラム式洗濯乾燥機を投入するハイアールや、デザイン性の高いクリーナーを展開するエレクトロラックスをはじめ、ティファールやデロンギなど、注目の海外家電メーカーの動向を新製品から探る。
 この秋、海外家電メーカーが続々と日本市場に本格参入する。大型のドラム式洗濯乾燥機を投入するハイアールや、高性能クリーナーを展開するエレクトロラックスをはじめ、ティファールやデロンギなど、注目の海外家電メーカーの動向を新製品から探る。

布団も洗える大型ドラム洗濯機でシェアと認知度アップを狙うハイアール

 ハイアールの日本参入は2002年。白物家電では世界で高いシェアを持ちながらも、日本ではシングル向けの小型家電や冷凍庫など国内メーカーが手薄な分野がメインで、ひっそりと様子をうかがってきた感がある。

 先日発表されたドラム式洗濯乾燥機は、洗濯10kg、乾燥8kgという国内メーカーの製品の上を行く大容量で布団まで洗えることをアピール。中国メーカーならではの低コスト戦略を武器に、予想実売価格12~13万円という安さで国内メーカーに真っ向勝負をかけ、日本でシェアを伸ばして知名度アップを図る考えだ。

 ハイアールの「JW-MD1080A」は直径60cmのドラムで容量を10kgとし、週末のまとめ洗いのほか、布団洗いにも対応。ドラムの位置が高く、奥行きが浅い設計にしているので、洗濯物を出し入れする際の腰やひざへの負担が少なく、奥まで手が届くため洗濯物の取り忘れも防げるという。

 球体センサーと液体バランサーを組み合わせた振動抑制技術「ハイブリッドバランサー」や、振動吸収4連ダンパーによって振動を低減、遮音仕様のDDモーターで洗濯30dB、脱水39dB、乾燥42dBの低騒音となっている。風呂水ポンプ機能や衣類の汚れが少ないときには使用水量や電気使用量が20%削減できる「節約モード」も搭載し、省エネにも配慮されている。

 乾燥方式にヒートポンプを採用しなかったことについては、「ドラムが高い位置にあるのでその下の空間を利用してヒートポンプ式にすることもできたが、どうしても価格が上がってしまう。今回は価格を抑えつつ、“布団を洗いたい”という新しいニーズに対応した」(ハイアールジャパンセールス・商品企画部の森脇利行氏)。まずは価格の安さでシェアを上げ、軌道に乗ればヒートポンプ式も検討するということのようだ。

ハイアールは“すき間家電”も注力

 今回、ドラム式洗濯機というメジャーな分野に参入したハイアールだが、従来から力を入れているシングル向けの小容量冷蔵庫・洗濯機や二槽式洗濯機、冷凍庫などのさらなる充実も図っていくようだ。

 ブラック、ピンク、ホワイトと3色そろった「シンプルスマートシリーズ」は、新生活の必需品、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジがラインアップ。洗濯機や冷蔵庫は3サイズから選べるようになっている。4.2kgタイプの小さな洗濯機からステンレスの洗濯槽を採用して黒カビの発生を抑えるようにしているほか、ひとり暮らしの洗濯パターンに配慮して、洗濯から脱水まで10分で終了する「お急ぎ」コースや、週末のまとめ洗いにうれしい「つけおき」コースを設けるなど、細かな点まで行き届いたつくりになっている。

 そのほか、ワンルームの狭い空間に置いても邪魔にならない大きさとデザイン、カラーが特長の3.3kgタイプの全自動洗濯機や、5kgタイプの縦型洗濯乾燥機なども11月に発売。国内メーカーが手薄にしている“隙間家電”の充実ぶりには目を見張るものがある。パナソニックがアラサー・アラフォーのシングル向けに「ナイトカラー」シリーズを発売して人気を博しているが、ハイアールのシングル家電は、価格的にも初めてのひとり暮らし向きといえるだろう。

 根強いファンのいる二槽式洗濯機も4.0~12.0kgまで4機種そろえ、冷凍庫も前開き式、上開き式、上開き+引き出し式など豊富なラインアップで、展示会でも注目を浴びていた。

 すき間家電に加えてドラム洗濯機というメジャーなジャンルに進出したことで、現在40%程度という知名度は確実に上がるだろう。製品が評価されれば国内メーカーを脅かす存在にもなりかねない。

30アイテムの新製品を家電量販店でも販売するエレクトロラックス

 デザインを重視した家電製品をインテリアショップなどの限られた販路で展開してきたエレクトロラックスだが、この秋から一気に30アイテムの新製品を発売すると同時に、本格的に家電量販店に参入する。

 「コードレス・スティッククリーナーのエルゴラピードの人気が高く、『どこで買えるのか?』『家電量販店でも取り扱ってほしい』という声が非常に多く届いている。これまでは、価格競争を避けるために、インテリアショップなどを中心に販売してきた。この秋、アイテム数も増やし、静音性に優れたキャニスタータイプのクリーナーなども投入するにあたって、家電量販店での販売を視野に入れて売っていく」と、エレクトロラックス・ジャパン、マネージング・ディレクターのゴードン・トム氏。

 エレクトロラックスは家庭用掃除機で世界でのトップシェアを持っているが、10月に発売する「ウルトラサイレンサー」は、これまでの技術の粋を集めて開発したという“超静音”が特長の紙パック式クリーナー。静音技術「Silent Air Technology」などにより50dBの運転音を実現している。最大のパワーで掃除機をかけていても、普通に会話をしたり、音楽を聴いたりできるほどの静かさだ。また、空気清浄機にも使用されている洗浄可能な排気フィルター「HEPA13」を使用し、密閉した構造で本体からの排気もれを削減。粒子の直径が0.5μmなら100%、0.3μmで99.9993%を除去する。

 クリーナーでは、これまで人気の高かったスティッククリーナーのエルゴラピードの上位機種「エルゴラピードプラス」や、リサイクル素材からできたサイクロンクリーナー「ウルトラアクティブグリーン」も発売する。

 クリーナー以外では、調理家電とアイロンに注目。“黒の調理家電”「NERO(ネロ)」シリーズには、コーヒーメーカーやコードレスケトル、ポップアップトースターに新しくミニブレンダーが加わっている。スチームアイロン「4safety」はノンスリップ・ラバースタンドの採用でアイロン台からの滑り落ちを防ぐほか、3ウェイ自動OFFシステム機能など安全性が高いのが特長だ。

 そのほか、“ステンレスボディのブレックファストシリーズ”と名付けられた「Confidence Line」のコードレスケトルやポップアップトースター、アルミボディで高級感のある「プレシジョン」シリーズのコードレスケトルやオートマティックトースターなど、エレクトロラックスらしさのあふれるスタイリッシュなデザイン家電がラインアップ。今後、どれだけ家電量販店での売り場を確保していくかが注目される。

“おやすみ暖房”でオイルヒーターの販売を強化するデロンギ

 一方、イタリアの家電メーカー・デロンギの戦略は、家電量販店を核として日本の家電メーカーに真っ向勝負をかける方法とは全く反対の独自路線を貫く方針だ。

 イタリア発というとデザイン重視のイメージがあるが、1975年に3代目社長のジュゼッペ・デロンギ氏が当時パーツ工場だった会社からデロンギブランドのオイルヒーターを開発・販売するなど、質実剛健なものづくりで知られている。日本向けの製品の販売にしても「マス向けでなく、コアなファンの欲しがるものを選んで訴求していく」という。

 その1つとして、1950年代のイタリアを思わせる重厚でクラシカルなデザインを取り入れた「icina(アイコナ)コレクション・アズーロブルー」のコードレスケトル、ポップアップトースターを11月に発売する予定。国内外を含めて、キッチン家電には珍しい艶やかなブルーが目を引く。

 また、この秋冬に最も力を入れているのが、世界70カ国で販売され、日本でもトップシェアを誇るオイルヒーターだ。オイルヒーターは、ヒーター内部に難燃性のオイルが密閉されており、そのオイルを電気で暖めた熱がパネルから放熱されることで、部屋全体をじんわりと暖める暖房器具。温風を出さずに輻射熱で部屋全体を暖めるため、部屋内の温度ムラが少なく、乾燥しにくいのが特長。だがその反面、リビングルームのような広い部屋では暖まるのに時間がかかり、主暖房には不向きだといえる。

 そこで、「比較的小さめの部屋に向く」「空気が乾燥せずホコリも舞いにくい」「輻射熱でおだやかな暖かさに包まれる」というオイルヒーターの利点を生かすべく、就寝時の暖房に着目。「おやすみ暖房」をキーメッセージとして、ほか他の暖房器具では得られない心地よさをアピールしていくという。

 日本ではこれまで「なかなか暖まらない」「電気代がかかる」といったイメージが先行しているが、昨今の高気密高断熱の日本の住宅はヨーロッパの石造りの家にも通じるものがあり、輻射熱によるおだやかな暖房は寝室や書斎、子ども部屋などの狭い部屋には向いている。「実際の電気代の目安や、タイマーの上手な使い方なども含めた啓蒙活動を強化する」(デロンギ・ジャパン)という。

アラサー・アラフォー世代のおしゃれな食卓を狙うティファール

 30代40代女性にターゲットを絞ってスタイリッシュなキッチン家電を提案していくのが、ティファールだ。

 その筆頭となるのが、日本製には見られない木製フレームを使用したテーブルグリル「ホットプレート オベーション」。家族で楽しむというシチュエーションではなく、記念日などの特別な食事を演出する“大人のためのテーブルグリル“と位置付けている。平面プレートと波型プレートを付属し、中央にはティファールならではの赤い「お知らせマーク」を採用。マークが消えると180~200℃になった合図となる。“二人用”のためか、プレートの大きさも国内メーカーの一般的なサイズよりはひと回り小さい印象だ。

 空間・プロダクトデザイナーの安積伸氏のデザインによる卓上IH調理器「コンパクトIH」は、家族や仲間と内食を楽しむ際にも、食卓を美しく演出することを重視。操作部を本体下部に設けてすっきりとしたフォルムにし、トッププレートには耐久性のあるセラミックガラスを採用している。ここ2~3年、人気を集めている鍋料理のほか、煮込み料理、揚げ物、湯沸かしなど4つの調理コースを備える。

 また、ミニサイズで調理の下ごしらえや菓子作りに役立つフードプロセッサー「ミニプロ」と、鍋や容器の中で直接使えるスティックミキサー「クリック&ミックス」にはカラーにこだわったルビーレッドシリーズを加え、“スタイリッシュなおうちごはん”を提案している。

 そのほか、8月末の展示会ではスチームボイラーとアイロン本体が別になったスチームジェネレーターの実演を行い、プロ並みの仕上がりをアピール。アイロンがけの時間が短縮され、仕上がり感に違いの出る“新しい形のアイロン”は、おうちクリーニングの切り札になるかもしれない。

(文/神原 サリー)

最終更新:10月5日(火)16時33分

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