社会

原発増設の環境影響評価やり直し求め提訴
(鹿児島県)
九州電力が川内原発3号機の増設に向けた手続きの中で国に出した環境影響評価に法律違反があったとして、増設に反対する市民団体が評価のやり直しと1600万円余りの損害賠償を求める訴えを6日、鹿児島地裁に起こした。訴えたのは原発増設に反対する市民団体のメンバーなど65人。訴えによると環境影響評価法では温排水の再循環の影響を考慮して海水の拡散を予測することとが求められているが、九電はこれを無視しているほか自治体の首長に1,2号機による温排水の拡散範囲を実際より少なく報告している点などが法令に違反しているとしている。再循環とは一旦海へ出した高温の排水・温排水を再び海から取水することで、これにより海水の温度は高まり、3号機の増設でさらに生態系への影響が出るとしている。原告団はこの環境影響評価のやり直しと違法な環境影響評価準備書により意見陳述の権利を侵害されたなどとしてあわせて1600万円余りの損害賠償を求めている。川内原発「温廃水」訴訟原告団の橋爪健郎団長は「勝つ負けるという部分じゃなくて未来の反原発の戦いに非常に重要」と話した。川内原発3号機の増設をめぐっては九電が9月、国に対し事実上の増設申請である重要電源開発地点への指定を申請。国は指定の前に知事の意見を聞くことになっているが、4日に県議会の企画建設委員会が建設賛成の陳情を採択し建設にゴーサインを出しており、伊藤知事は「審議の結果を重く受け止めているとしている。川内原発3号機は国内最大級の出力159万キロワットで九電は2013年度着工19年度の営業運転開始を目指している。
[ 10/6 19:19 KYT鹿児島読売テレビ]