2010年8月14日 2時35分
10月に供用を開始する羽田空港の新国際線旅客ターミナルについて、国土交通省が13年度の国際線発着枠拡大に向けて検討している同ターミナルの拡張案が13日、明らかになった。新ターミナルは年間6万回の発着枠を想定した規模ですでに完成している。しかし、羽田の「アジアのハブ(拠点)空港」化を目指す国交省は13年度中に発着枠を年9万回以上に引き上げる予定で、現行のターミナル規模では「キャパシティー(収容能力)が足りない」(前原誠司国交相)と見込まれている。
このため、国交省はターミナルの運営事業者の「東京国際空港ターミナル」と協議を進め、新ターミナル北側にある夜間駐機場(約13万平方メートル)や展開用地(約5万4000平方メートル)を活用した拡張案を固めた。具体的には、市街地と国内線ターミナルを結ぶ連絡道路をまたぐ形で、新ターミナルを北側に延伸。そのうえで、現在、夜間駐機場として使われている東方向にL字形にターミナルを数十メートルにわたって増築する。この拡張後は、国際線の駐機場の能力を現行(10機分)の最大1.5倍(15機分)程度に増やせるという。
10月21日に供用開始となる羽田空港の国際線発着枠は、当初、昼間3万回と深夜・夜間3万回の計6万回。13年度以降は昼間に3万回が追加され計9万回となる予定で、実現すると、1時間に最大8便が発着する。しかし、現行の新国際線ターミナルは1時間当たり最大6便の乗客にしか対応しておらず、航空会社などから「現状のまま発着枠を拡大すれば、旅客増に対応できず、混乱が起きかねない」と懸念が出ていた。【太田圭介、寺田剛】