伊平屋北海域に熱水湖

半径10キロ 世界最大規模

海洋研機構が調査

2010年10月6日 09時29分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(29時間15分前に更新)

 【沖縄】独立行政法人「海洋研究開発機構」(本部・神奈川県)は5日、伊平屋島北の海域で9月から実施していた海底掘削調査で、海底下に世界最大規模の熱水湖を発見した、と発表した。掘削では、レアメタルなどを含む可能性がある鉱石「黒鉱」も確認され、同機構では「現在進行中で生成されている黒鉱の採取も世界初」としている。

 調査は、海底から熱水が噴き出る「熱水噴出孔」の仕組みや微生物の実態解明を目的とし、伊平屋島の北西約120キロの海底にある伊平屋北熱水域で実施。9月1日~10月4日の期間、同機構の地球深部探査船「ちきゅう」で計23地点を掘削した。

 回収したコア(岩石などの試料)を分析したところ、噴出孔がある深度990メートルの地殻地下に熱水が流れたり滞留する「熱水湖」を確認。熱水湖は推計で半径10キロほどに広がり、世界最大規模という。

 また、コアの一部にさまざまな金属を含む黒鉱も見つかり、レアメタルや金などを含有している可能性も高いという。

 微生物は採取試料から培養して検証するが、水温が予想以上に高温だったことから「数は少ない」とみられる。調査を統括した同機構の高井研氏は「生物の増殖限界とされる122度以上に生息する微生物が見つかる可能性は十分にある。今回はコア回収率も高く、生命の誕生に迫る発見も期待している」と話した。

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