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「日本の理系、レベル高い」 受賞の鈴木氏と電話座談会(4/4ページ)

2010年10月7日10時1分

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写真:電話で会談する鈴木章さん=6日午後9時13分、札幌市北区の北海道大、杉本康弘撮影電話で会談する鈴木章さん=6日午後9時13分、札幌市北区の北海道大、杉本康弘撮影

写真:電話で会談する益川敏英さん=6日午後9時6分、名古屋市昭和区、小川智撮影電話で会談する益川敏英さん=6日午後9時6分、名古屋市昭和区、小川智撮影

写真:電話で話す立花隆さん=6日午後9時18分、東京都中央区、竹谷俊之撮影電話で話す立花隆さん=6日午後9時18分、東京都中央区、竹谷俊之撮影

 鈴木 それが、私の場合は本ですね。

 立花 20世紀から21世紀にかけての科学技術の世界で、有機化学が果たした役割は相当大きい。まさに先生の業績は非常に大きな一角を占めています。一方で、有機化学合成の世界は、環境問題のようなネガティブな物も生み出しましたね。

 鈴木 有機合成の場合、たとえば公害に関係して、有機溶媒を使うのが大きな欠点になる。その点、鈴木カップリングは有機溶媒を使わなくてもよいのですよ。

 ――これからは、日本の科学技術を伸ばしていくしかない、とのお話でしたね。

 益川 この伝統を、若者たちがどう受け継ぎ、伸ばしていくか。それともこのままで終わってしまうのか。いま、重要な岐路にあるように思います。鈴木先生の受賞を大変心強く思います。

 立花 ここまで発展してきたけれど、最近は若い人が海外留学もためらってしまう。この先どうなるのかな、と不安です。

 益川 良い子ちゃんたちなんですね。我々のような、はちゃめちゃなエネルギーを感じない。

 立花 今回の受賞を、若者たちが「おれたちも頑張るぞ」という元気をもらえるような、そんな受け止めができればいいですね。

     ◇

 益川敏英(ますかわ・としひで)氏

 京都産業大教授、名古屋大特別教授。1940年生まれ。京大基礎物理学研究所教授、同所長を経て現職。京大名誉教授。2008年、素粒子研究の功績で物理学賞を受賞。

 立花隆(たちばな・たかし)氏

 評論家、ジャーナリスト。1940年生まれ。政治や事件などの時事問題から最先端科学まで幅広く取材を手がける。著書に「脳死」「小林・益川理論の証明」など。

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