2010年10月7日10時1分
電話で会談する鈴木章さん=6日午後9時13分、札幌市北区の北海道大、杉本康弘撮影
電話で会談する益川敏英さん=6日午後9時6分、名古屋市昭和区、小川智撮影
電話で話す立花隆さん=6日午後9時18分、東京都中央区、竹谷俊之撮影
■「日本人全体にすごい刺激」評論家・立花隆さん
――それでは、立花さんからも一言お願いいたします。
立花 おめでとうございます。さきほど、この世界の資料をいろいろ拝見しました。この分野の研究は、日本人の活躍がすごいんですね。
鈴木 私の考えでは、我田引水ではないんですが、日本のいわゆるサイエンス、ケミストリーだけでなくて、日本の理科系、工学系も含めてですが、レベルは非常に高いと思います。そういうレベルを今後も続けていかないといけない。そのためには、若い中学校や高校の人にもサイエンスやテクノロジーの世界に入って、いかに、われわれの役に立って、おもしろいものを出せるか、少しでも伝えていけたらなと思います。
立花 益川先生の時も同じですが、今回の受賞で感じたことは、日本がまだ貧しくて高度成長期に入って、経済的にはすごく貧乏ながら、頑張り始めた、その時代のエネルギーみたいなものが、受賞の背景にあったような気がするんですね。いまの日本はそういう時期をちょっと過ぎてしまって、サイエンスの世界だけでなくて、経済的にもちょっと傾きかけている。だからこそ、今度の受賞は、サイエンスの世界、産業界、日本人全体にすごい刺激になるんじゃないかと思いますね。
鈴木 私もそうなれば、過分なことではありますが、非常にうれしいと思います。日本は資源も何もない国で、これから日本が頑張っていくためには、やっぱり人の力というか、能力といいますか、それをいかしていくより方法がない。そういう点で、若い人が、(この世界に)たくさん入ってきてくれることを期待しています。