2010年10月7日10時1分
電話で会談する鈴木章さん=6日午後9時13分、札幌市北区の北海道大、杉本康弘撮影
電話で会談する益川敏英さん=6日午後9時6分、名古屋市昭和区、小川智撮影
電話で話す立花隆さん=6日午後9時18分、東京都中央区、竹谷俊之撮影
ノーベル化学賞の受賞が決まった北海道大名誉教授の鈴木章さん(80)は6日夜、朝日新聞東京本社と結んだ電話座談会で、受賞の喜びを語った。座談会には、2008年に物理学賞を受けた京都産業大教授の益川敏英さんが名古屋から参加。自然科学分野の取材経験が豊富な評論家の立花隆さんと語り合った。研究への情熱から日本の将来へと、話題は広がった。(司会=大牟田透・東京本社科学医療エディター)
■「栄誉は順当な評価」益川・京産大教授
――本日は大変おめでとうございます。月並みですが、今のお気持ちを。
鈴木 そんな、実際にノーベル賞のような大きな賞をいただくとは予想していなかったものですから。実は、6時20分すぎにノーベル賞委員会から電話をもらって、びっくりしたんです。科学者の一人として賞を受け取って、うれしく思う以上に、びっくりしております。
――今の喜びをどなたと分かち合いたいですか。
鈴木 私一人の仕事ではありません。北大におりましたとき、多くの共同研究者や学生、いろんな人の協力を得て、今日の栄誉を得ることができたわけです。まず、お礼を申し上げたい。私も昭和の一けた生まれで、あまりこんなことを言うのは慣れていないですが、ワイフに対しても、「ありがとう」と伝えられたらと思っています。
――益川さん、お祝いの言葉をお願いします。
益川 先生おめでとうございます。
鈴木 お話をするのは初めてですが、テレビでよくお顔を拝見しています。ありがとうございます。
益川 今日の先生の栄誉は、順当な評価であると思います。いろいろなことがあると思いますが、体調だけは十分、留意されて過ごされることをお祈りします。
鈴木 先生も私とそんなに年が違わないと思いますけど、幸い私も元気ですので、体には気をつけます。あと何年、生きるかわかりませんが(笑)。生きている間に、若い人の役に立つような仕事をしたいと思います。