2010年9月28日19時31分
謝罪する米津真・図書館交流プラザ総合館長(右から2人目)ら=愛知県岡崎市役所
愛知県岡崎市は28日、同市立中央図書館の個人情報163人分が全国37の図書館のコンピューターから見つかり、一部の図書館からインターネットを通して外部に流出したと発表した。返却期日までに本を返さなかった利用者の氏名や書名、電話番号などで、同図書館のシステムを作った業者が他の図書館に同じシステムを流用した際、個人情報を削除しなかったことが原因とみられる。
同市立図書館のシステムを作成、管理している三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS、東京)と同市が記者会見して明らかにした。
会見での説明によると、個人情報のリストは2005年6月末ごろつくられた。159人分の氏名と電話番号、年齢、本の書名のほか、図書館の利用者番号、貸出日などが掲載されていた。その時点で返却期日を過ぎても本を返していなかった人のうち、その本に別の利用者からの貸し出し予約が入っている場合を抽出していた。また、同図書館で本を予約した4人分の個人情報のリストもあった。
二つのリストは、37図書館のうち、福岡県篠栗町と宮崎県えびの市の図書館ホームページを通じてインターネット上に流出。数カ所からダウンロードされたことが確認されたという。
今月22日、同社のソフトを導入している別の図書館の職員が偶然見つけ、発覚。同社は「岡崎市立図書館に施した最新の不具合対策を、本社にあるプログラムに反映させる際、不必要なデータまで吸い上げてしまった」と説明している。
さらに、同社が今回の個人情報流出を機に、全国で図書館システムを洗い出したところ、別の2図書館の利用者10人分の個人情報が、別の数カ所の図書館のコンピューターから見つかったという。同社は「プログラムの管理や個人情報に対する認識に問題があった」と認めた。