自衛隊各幕僚長らと意見交換をする菅直人首相(左から2人目)=19日、首相官邸、西畑志朗撮影
菅直人首相は19日、首相官邸で北沢俊美防衛相に「ちょっと昨日予習をしたら、(防衛)大臣は自衛官じゃないんですよ」と述べた。憲法66条は「大臣は文民でなければならない」と規定しており、これを知らなかったかのような発言は、シビリアンコントロール(文民統制)への理解の浅さを露呈したと批判されそうだ。
首相は、この日開いた自衛隊の折木良一統合幕僚長ら制服組首脳との意見交換会を前に、北沢氏との雑談の中でこうした発言をした。
意見交換会のあいさつでは「改めて法律を調べてみたら『総理大臣は、自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と規定されており、そういう自覚を持って、皆さん方のご意見を拝聴し、役目を担っていきたい」と語った。これまで、そうした自覚がなかったと受け取られかねない発言だ。
意見交換会を終えた折木統幕長は、記者団に一連の発言について聞かれて「本当に冗談だと思う。指揮官としての立場は十分自覚されている上での話だと、私は認識している」と語った。