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湘南高校出身のノーベル賞・根岸さん、同級生らから喜びの声/神奈川

2010年10月7日

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 根岸英一さんのノーベル賞受賞の報に、出身高校である県立湘南高校(藤沢市鵠沼神明)の同級生や同校関係者からは同校初の偉業に喜びの声が上がった。

 同級生で親友だったという元茅ケ崎市長の根本康明さん(76)=茅ケ崎市=は同級生からの相次ぐ連絡に「今夜はなかなか眠れない」と喜びを実感していた。

 根岸さんは部活には参加していなかったが友達付き合いが良く、頭の切れ味が鋭い生徒という印象だった。2年生の最後の模擬試験で学年1番だったことを覚えている。

 根本さんによると、根岸さんは父親の仕事の関係で旧満州(中国東北部)で生まれ、戦後に大和市に引き揚げた。実は、同級生よりも1歳若い1935年7月14日生まれ。旧満州で1年前倒しで小学校に入学し、高校入学時は14歳。東京大学に入学したのは17歳だったと明かす。

 高校時代から音楽が好きで、総合化学メーカー「帝人」に勤務時代は、ウクレレを鳴らしながら根本さん宅を訪れたことも。根岸さんが渡米後もしばらくクリスマスカードを交換していた。「若いころからノーベル賞を受賞すると言っていたが、今になって本当になった。とても不思議な感じがする」と感慨深げに話した。

 同校の同窓会「湘友会」会長の田辺克彦さん(68)=藤沢市=も根岸さんの受賞に「本人の努力もあったのだろうが、『湘南教育』がその基礎となったに違いない。卒業生の代表として大変誇らしい」と喜んだ。

 同校では来年創立90周年を迎えるにあたり「校史資料館」の開設を予定している。現在、各界で活躍してきた卒業生の資料などを集めているが、根岸さんの偉業をたたえる展示を急きょ加えるつもりだ。田辺さんは「節目の年に、ぜひ根岸さんに記念講演をしていただきたい」と話した。

 「学校の誇りだ。大変うれしい」と声を弾ませたのは、同校の川井陽一校長(58)だ。
 6日午後7時半ごろ、テレビのニュースで日本人2人の受賞を知った。その約1時間後、同窓会員から電話が入った。「受賞した根岸さんは同校OBだ」。慌てて卒業名簿をひっくり返した。1952年度の卒業生の中に「根岸英一」と記されていた。

 根岸さんと面識はないが「同窓が偉大な賞を受賞してくれた。本当にうれしい」。
 「根岸さんは高校3年間で勉学の基礎を固め、高い志を持ち続けておられたはず。生徒にとって大いに励みになる」。7日には、早速在学生にも報告し、喜びを分かち合うつもりだ。

 根岸さんの妻すみれさん(73)の兄で湘南高校の同級生だった鈴木健次さん(76)=大和市=は「ノーベル賞は難しいと思っていたので、実現して一族で喜んでいる」と感慨深げだ。

 「(根岸さんは)高校のテストでは常に2番以上だった。大学を卒業して帝人に就職したが、本格的に勉強したかったのだろう。すぐに米国に留学した」。思い出を振り返った。

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