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【代表質問】守勢の首相、言いたい放題の自民2回生、論戦は好対照の初日 (1/2ページ)
「ねじれ国会」の行方を占う論戦が6日の衆院代表質問で幕開けした。「小沢」「尖閣」といったマイナステーマに怯(おび)える姿勢が目立った菅直人首相と、質問者に若手を投入し「言いたい放題」の自民党。初日は好対照となった。(酒井充、小島優、桑原雄尚)
にじむ事なかれ主義
首相は、ようやく実現した日中首脳会談をアピールしようと懸命だった。沖縄・尖閣諸島の周辺の中国漁業監視船も姿を消し「融和ムード」演出の絶好の機会…。だが論戦が始まると、残っている課題ばかりが浮かび上がった。
拘束された邦人1人の解放や東シナ海のガス田開発問題、衝突事件の「謝罪と賠償」を求める中国側へのケジメ…。いずれも首相の口からは、主体的に取り組もうという意欲は発せられず、不透明な決着を図ろうとする「事なかれ主義」だけがにじんだ。
「私と温家宝首相との懇談で戦略的互恵関係の推進を改めて確認した」
首相は日中関係の改善に自信をみせたが、自民党の稲田朋美氏が廊下の椅子(いす)での「懇談」で日本側の中国語通訳が不在だった理由を求めても説明しなかった。
準大手ゼネコン「フジタ」の社員1人の解放問題も象徴的だ。「私と温首相との懇談に並行して、引き続き中国側に対し人道的観点からの迅速な処理を求めている」
自民党の谷垣禎一総裁が「釈放を温首相に強く働きかけたのか」とただしたが、首相は、具体的なやり取りがなかったことを暗に認めた。
急落と急上昇
民主党の小沢一郎元幹事長の証人喚問は、今後も首相を悩まし続けそうだ。
この日は小沢氏の自発的判断に委ねるとした首相。やるともやらないとも言わない日々は続く。
裏にはジェットコースター並みに乱高下する内閣支持率がある。内閣発足後、消費税増税発言で急落。その後、「脱小沢」を掲げたの党代表選で急上昇。ところが再び、尖閣問題の失政で急落した。ここで小沢氏の処遇を間違えば致命的だ−。あまりの不安定さに、首相が恐怖を感じてもおかしくない。