後継者問題:「金王朝」の取り巻きも世襲!?(下)

 先月28日に終了した第3回党代表者会で、正恩氏の推挙に力を尽くした抗日パルチザンの息子たちは、いずれもすでに党の要職に就いている。中でも最も注目されるのは、崔賢氏の次男・竜海氏だ。黄海北道の党責任秘書(道知事に相当)を務め、後に朝鮮人民軍大将となった。また政治局候補委員、秘書局秘書、党中央軍事委員会委員でもあり、朝鮮労働党の要職にすべて名を連ねている。

 呉白竜氏の長男・金哲上長(中将に相当)は、党代表者会前までは同党中央委員会候補委員だったが、今回正式な委員となった。韓国国防研究院安保戦略研究センターの白承周(ペク・スンジュ)センター長は、「党中央委員会の124人の委員は北朝鮮の有力な人材を集めたもので、彼らが北朝鮮を引っ張っている」と語る。空軍司令官を歴任した呉金哲氏は、軍事関連の問題に詳しいといわれており、また党代表者会の翌日に行われた「金正日朝鮮労働党総書記の再推挙を祝う陸海空軍将兵の慶祝集会」では、代表として演説を行った。

 呉振宇氏の息子・日正氏は、朝鮮労働党軍事部長に起用された。軍事部長とは、400万人といわれる労農赤衛隊など、現役兵よりもはるかに多い北朝鮮の予備役のほとんど(500万人以上)を総指揮する要職だ。

 革命第2世代が相次いで頭角を現していることについては、「北朝鮮版の太子党が金正恩時代の権力中枢になった」といわれている。太子党とは、中国で共産革命を手掛けた重鎮らの子弟たちを指す言葉だ。

 北朝鮮の朝鮮中央テレビは、党代表者会が開催された9月最終週に、「遺産」という映画を1部と2部に分けて放映した。これは、金総書記の後継者擁立に向けて先頭に立った呉白竜氏と崔賢氏をたたえるものだ。元政府高官の脱北者のチェ氏は、「党代表者会でこのような映画を放映する意図など、分かり切ったことだ。代を受け継いだ忠誠競争も、すでに佳境に入りつつある」とコメントした。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る