後継者問題:「金王朝」の取り巻きも世襲!?(上)
1970年代に行われた金総書記による権力継承は崔賢、呉白竜、呉振宇各氏が中心となって進められる
今回はその息子たち3人が正恩氏擁立の先頭に
金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男・正恩(ジョンウン)氏が後継者として公式に登場するまでの過程で、抗日パルチザンの重鎮の息子たちが大きな役割を果たしていたことが分かった。北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は6日、「崔竜海(チェ・リョンヘ)=60=、呉金哲(オ・グムチョル)=63=、呉日正(オ・イルジョン)=66=各氏は今年6月中旬以降、ある秘密の会合で金正日・正恩親子に対し、正恩氏への忠誠を誓い、後継者就任を本格的に進めていた」と語った。
6月中旬は、北朝鮮が44年ぶりに党代表者会の招集を発表(6月26日)する1-2週間前だ。韓国政府の安全保障関連部処(省庁)当局者は、「秘密の会合が行われたことが事実なら、党代表者会を通じ正恩氏を後継者として公式に登場させる計画は、その場で具体化した可能性がある。この会合に出席したのは、正恩氏を後継者にするのに中心的な役割を果たしたメンバーたちだろう」とコメントした。
崔竜海、呉金哲、呉日正各氏は、崔賢(チェ・ヒョン)元人民武力部長、呉白竜(オ・ベクリョン)元護衛総局長(警護隊長に相当)、呉振宇(オ・ジンウ)元人民武力部長の息子たちだ。3人の重鎮はいずれも、故・金日成(キム・イルソン)主席と共に抗日パルチザン活動を行った北朝鮮の革命第1世代で、1970年代に金総書記が叔父の金英柱(キム・ヨンジュ)氏(90)と後継者争いをしていたころから金総書記を積極的に支持し、今も「首領の決死的護衛の化身」と呼ばれている。
70年代には、金総書記にとって金英柱氏というライバルがいたが、正恩氏はその若さと経験の浅い点が障害となる。北朝鮮内部では、「正恩氏が基盤を固めるまでは、中国共産党のように集団指導体制を一時的にでも取り入れなければならないのではないか」という意見も、少数ではあるが、実際に語られているという。しかし崔竜海、呉金哲、呉日正各氏に代表される革命第1世代の息子たちが、「代々の忠誠」を誓ったため、大勢は正恩氏の単独推戴へと急速に傾いているようだ。