自由な書風で知られ、ひょうひょうとした詩書画で親しまれた現代書家の榊莫山(さかき・ばくざん、本名斉=はじむ)さん=が3日午前4時13分、急性心不全のため奈良県天理市の病院で死去した。84歳。三重県出身。
自宅は三重県伊賀市菖蒲池1282。葬儀・告別式は親族のみで済ませた。喪主は妻美代子(みよこ)さん。
京都大文学部で美学を学び、1950年代後半から個展を中心に作品を発表。定型を離れた自由で豪快な書風を確立し、ひょうひょうとした詩書画で親しまれた。関西弁の飾らない語り口は、テレビや講演で多くのファンをひきつけた。
仙人のような風ぼうから、愛称は「莫山先生」。ラベルを手がけた焼酎「よかいち」のCM出演で話題を集め、NHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」、「春よ、来い」の題字も手掛けた。
(2010年10月6日)