左耳の突発性聴覚障害のため6月から休養していた演歌歌手・藤あや子(49)が5日、NHK「歌謡コンサート」の生放送で仕事復帰した。都内の収録会場で取材に応じた藤は、医師から完治には2年かかると診断されたことを明かし、「引退の字もよぎりました」と告白。87年のデビュー以来、歌手人生最長4カ月のブランクもなんのそのでステージに立ち、完全復活への第一歩を踏み出した。
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「発病した当初は引退の字もよぎりました。歌手生命も終わりかな、と…」‐。
6月1日のNHK「歌謡コンサート」を体調不良のためキャンセルしてから4カ月。同番組で復帰を果たした藤が、引退の危機にひんしていたことを明かした。
異変が起こったのは5月31日未明。検査の結果、12本ある脳神経のうち7番目の神経の異常による突発性聴覚障害と診断された。シャワーの音がまるで滝のように聞こえるなど、歌手生活に多大な影響があった。医師からは「最低でも復帰に半年、完治には2年かかる」と告げられた。
原因はいまだに不明。当時は新曲「まごころの花」のキャンペーンと、自身が主宰するアトリエ「Gallery彩」の4周年記念イベントの準備で多忙を極め、蓄積した疲労がもたらした可能性もある。
6月上旬から10日間、入院した際には、ステロイドを1日16時間も点滴。退院後も病気に関する書籍を読み、食事や化粧品はオーガニック製品に切り替えた。歌への強い思いは医師も驚く早期復帰として結実。再発の恐れもないという。
この日は、音合わせを聞いた共演者で師匠の二葉百合子(79)から「大丈夫!!」と太鼓判を押され、かみしめるように新曲を熱唱した。久々のステージに藤は「新人歌手の気分。緊張したな」と苦笑い。今後は21日にチャリティーコンサートに出演するなど、止まっていた時計の針を自分のペースで進めていく。