星野“新監督”の初仕事！佑も候補の１位クジを引いて！…楽天

９月１７日、笑顔でドラフト会議発表会見のフォトセッションに臨んだ星野仙一氏（左は山本浩二氏）

　「楽天・星野監督」が、早ければ１２日にも誕生する。楽天の球団幹部は６日、阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクター（ＳＤ＝６３）が新監督候補であることを初めて認めた上で、阪神のレギュラーシーズン終了翌日の８日にも正式に要請する可能性があることを明かした。星野ＳＤが受諾すれば、球団は２８日のドラフト会議への出席も要請する見通し。現在、ドラフト１位候補の絞り込みを済ませてはいないが、競合必至の目玉候補の指名が決まれば、抽選が初仕事となりそうだ。

　「星野楽天」の誕生が目前に迫った。この日、都内で実行委員会に出席した米田球団代表は「いろんな情報がありますけど、その中に星野仙一さんをリストアップしているのは事実。（阪神の）坂井オーナーと三木谷会長が面会したのも事実です」と説明。９月２９日のブラウン監督の電撃解任後、球団幹部が初めて星野ＳＤを新監督の候補として認めた。

　さらに監督就任を正式要請するタイミングについて、井上智治オーナー代行は「基本的には、阪神のレギュラーシーズン終了後に」と星野氏を最有力候補に挙げていることを明言。闘将招聘（しょうへい）に向け三顧の礼を尽くし、早ければ、阪神のレギュラーシーズンの今季最終戦翌日の８日に正式な監督就任要請を行う。交渉に大きな支障がなく受諾となれば、週明けの１２日にも新体制が誕生する見通しとなった。

　楽天は７日からＫスタで秋季練習をスタートさせる。就任後は初視察にも期待は高まるが、新監督として最初の大仕事は２８日のドラフト会議となりそうだ。楽天サイドは星野氏には編成面の“全権”を託す意向を持っており、新指揮官の意見を踏まえてドラフト戦略を最終決定。関係者はドラフト会議への出席も要請したい考えを持っている。

　さらに指名が競合した場合のくじ引きを、星野新監督に任せるプランも浮上。０５年片山、０６年田中、０７年長谷部と３年連続でくじを当て「神の手」と称された島田亨オーナー兼社長が楽天の本社業務のため長期海外出張中。このためドラフト会議の出席は困難とみられていた。球団幹部はシーズン中からブラウン監督に抽選を任せる意向を示していたことから「新監督に任せるのでは」と関係者は話しており、新指揮官に白羽の矢が立つ可能性は高い。

　現在、球団は早大・斎藤佑樹投手、大石達也両投手（ともに４年）らを１位候補にリストアップ。各大学の秋季リーグの結果を踏まえ、他球団の動向も見極めながら直前まで検討を重ねる。有力選手の単独指名が理想だが、重複すれば、８６年秋のドラフトで５球団競合する中、近藤真一を引き当てた闘将の勝負強さにかけることになりそうだ。今季最下位からの逆襲を、闘将の剛腕に託す。

　◆星野監督とドラフトくじ　星野監督が引いた最大の当たりくじは、初めて中日監督に就任した直後の８６年ドラフト会議で生まれた。翌年、デビュー戦で巨人を相手にノーヒットノーランを達成する享栄の左腕・近藤真一を、５球団の競合の末に獲得。今年９月にゲスト参加したドラフト会議の開催要項発表会見でも「引いたときには武者震いというか、鳥肌が立つようなね」と思い出を語っている。さらに８７年のドラフト会議では南海との競合となったＰＬ学園・立浪和義の当たりくじも引いている。

　▽新監督出席ＯＫ　現時点では阪神のオーナー付シニアディレクターの星野氏だが、楽天の新監督に正式に就任した場合、ドラフト会議の出席に支障はない。日本野球機構関係者は「新監督でも、その時点で正式に監督になっていたら問題はない」と説明。２８日のドラフト会議までに正式発表を行えば、出席は可能になる。