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【正論】「月刊朝鮮」前編集長・趙甲済 北世襲は悲劇を通り越し喜劇だ (2/2ページ)

2010.10.6 03:44
このニュースのトピックス正論

 韓国はこうした怪物集団を相手に死活を伴った生存闘争をしつつも、怪物に近づくことはなく、人権を重視する民主主義を発展させた。韓国民主主義の二大建設者である李承晩、朴正煕両元大統領の知恵である賢明な大戦略が成功したわけだ。李氏が作った韓米同盟と朴氏が作った韓日友好関係は、韓国を自由と繁栄、そして合理主義精神の側に立たせた。

 北朝鮮政権は1970年代後半から、衰亡の悪循環の中に吸い込まれていった。人民らの生活水準を向上させようという西側資本の導入計画は、後継者に指名された金総書記の金日成神格化キャンペーンに押さえられてしまった。80年代に全斗煥政権がソウル五輪を進めたとき、北はラングーンでの爆破テロと大韓航空機爆破で応戦したが、犯人らが捕まって、国際的制裁を受けた。

 盧泰愚政権がソウル五輪成功と共産圏崩壊を利用、ソ連、中国、東欧の共産国家と修好する北方政策を展開すると、北は核開発で応戦する一方、90年代後半の大飢饉(ききん)に陥った。この困難に金総書記は当然、改革開放で応戦しなければならなかったが、自滅的、自殺的な選択をした。体制維持に必要な約500万人にだけ食糧を与え、残る1600万人への配給をやめ、数百万人の餓死者を出した。

 住民らは生き残るために市場を作った。この市場が拡大、それまでの労働党に代わり、住民たちを食べられるようにしてくれた。配給に依存し生存する者は約20%、市場を通して生きていく者は80%だ。市場勢力の拡大に危機感を感じた金総書記は昨年11月、貨幣改革(デノミネーション)で市場をなくそうとしたが、失敗した。

 ≪世襲は挫折し統一へ門開く≫

 市場は人民らを鍛錬して教育し目覚めさせた。人民らが目覚めるにつれ金総書記は権力を弱めている。この勢いが北の体制の性格を根本的に変えている。そんな中、病に陥った金総書記は急ぎ三男の金正恩氏を後継者に立てようとしている。これは成功しない。

 後見人である金総書記の健康状態がよくなく、金正恩氏の権威が皆無で、“市場勢力”が作り出す世論が世襲に反対するだろうし、権力闘争が起きるだろうからだ。資源と手段が多い韓国側が金正恩反対勢力を支援し、北朝鮮を揺り動かすこともできる。北の政権は53年に終わったスターリン体制が57年間、延命しているケースだ。スターリン死去の際にソ連で起きた変化が、今から北朝鮮で圧縮されて起き、ひとつの方向に収束していくことだろう。

 それは偶像崇拝体制の崩壊、対南革命路線の放棄、実用(現実)政策の推進などだ。この過程で、金正日一族の生存を保証するのは極めて難しい。金日成、金正日父子が重ねた悪業の重みで金正恩氏は圧死するかもしれない。歴史を変える最も怖い力は犠牲となった者たちの血であり、復讐(ふくしゅう)心だ。良心に目覚めた北朝鮮の人々が外部の力を受けて、三代世襲を挫折させるとき、朝鮮半島の自由統一への最初の門が開くであろう。(チョ カプチェ)

●=火へんに華

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